八ツ場ダムより深刻な、吾妻川の水質問題

asahi.com(朝日新聞社):ダム守るダム、年10億円 八ツ場の上流に中和専用ダム - 社会

吾妻川はかつて、「魚もすまぬ死の川」と呼ばれた。八ツ場ダム計画が地元に伝えられた52年から55年に、国はダム予定地で鋼板やコンクリートを川水に400日さらす実験をした。すると鋼板は8割、コンクリートは1割前後が溶けた。酸性ほど数値が低くなる水素イオン濃度(pH)は当時pH2~3。レモン果汁並みの「強酸性」。ダム計画は一度は消えた。
 
その後、「世界初」の触れ込みで63~65年に造られたのが、酸性水をせき止める品木ダムと中和工場だ。八ツ場ダムの予定地から北西へ約10キロの山中に、緑と白の絵の具を溶かし込んだような湖面が広がる。温泉水が流れこむダム湖は「上州湯の湖」と呼ばれ、近づくと卵の腐ったような硫黄のにおいが鼻につく。
 
ダム湖に注ぐ三つの河川の上流は、いずれもpH2~3。中流に設けた中和工場で石灰液を常に投入し、人工的に化学反応を起こしている。pH値を上げる代わりに鉄やアルミニウムの水酸化物ができるので、品木ダムに水をため、水酸化物を沈殿させて水と分離させている。 (中略)
 
一方で、沈殿物が想定を大きく上回るペースで増え続けた品木ダムは、その寿命が危ぶまれている。当初、国はダムに50年間は沈殿物をためておけると想定していたが、88年からは沈殿物や土砂をすくい出して近くの山中の処理場に廃棄している。
 
年に2万6千トンを捨てても、ダム湖にはその倍のペースで沈殿物がたまり、貯水容量の8割以上を占めるほどだ。沈殿物には川の水に含まれる高濃度のヒ素などの有害物質も含まれる。沈殿物がたまり続ける以上、新たな廃棄場所を確保し続けなければならず、年約10億円の維持管理費がかかっている。
 
これだけの手間にもかかわらず、品木ダムで中和化できているのは吾妻川の流量の4割。国は総事業費850億円を見込んで処理範囲を広げようとしているが、着手のめどは立たない。

一度そのダム湖「上州湯の湖」を観に行ってみたいですね。
その「鉄やアルミニウムの水酸化物」って、捨てるだけじゃなくて再処理して資源化できたらいいのにね。 コスト的に見合わないんだろうけど。

足尾の鉱毒とは違って吾妻川の水質は天然由来ですが、ヒ素が健康に悪影響があるのは変わりません。
戦前から問題とされていたのに、こうやって光が当たったのは八ツ場ダムの建設論議があったからです。
国もマスコミも、もっとこういうところに目を向けてほしいですね。

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