成果主義の時代に「チームワーク」は死語か?

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ベストチームとは何か:今、あらためてチームワークを問う - ITmedia エグゼクティブ

成果主義型の人事が広がり、仕事の成果が個人レベルに細分化された結果、組織におけるチームワークは人事評価の対象になりにくくなった。個人の目標達成が優先され、頼らない、頼られない、頼れない、そんな孤軍奮闘は、相互依存の関係性を細らせ、表面的な人間関係を生んだ。ITの進化によって仕事が常に身近にあり、誰しもが忙しすぎる。職場での無駄は減ったかもしれないが、人間的なつながりや安心感も同時に減った。
 
このような「分断の時代」にあって、リーダーが直面するチャレンジは大きい。チームワークは大事だと頭では分かっているものの、人事権、情報量、決定権など、明らかな権限と役割の違いがある中で建前と本音がせめぎ合い、リーダーの問題意識は部下に共有されにくい。対症療法の問題解決に焦点が当たり、問題の本質や視座について俯瞰的に話し合う場も少ない。
 
さらに、仮にセクショナリズムが横行すると、複数の部署に関連する隙間領域に問題が起こりやすくなる。それをカバーしようとする志の高いリーダーが責任を抱えすぎてメンタルを病むといった悪循環の例は、枚挙にいとまがない。
 
過去の遺産とも言える軍隊式の上意下達の関係性は「どうせ組織は変わらない」「言っても仕方がない」といったあきらめを蔓延させる。一度チームワークが崩壊すると、密室で物事が決まるようになり、その決定プロセスを共有していない社員はますますチームを信頼しなくなる。結果的に、部下はますます「待ち」の姿勢となり、自主的には動かない依存体質に拍車がかかっていく。

自分は上意下達(上位命令であるから盲目的に従わねばならない、という意味です)というのが嫌いです。 これはもう生理的な嫌悪感のレベルです。

そんな自分が、今は中間管理職をやっているのですから不思議なものです。

TDAモデルではプロダクティビティとポジティビティの要素を、それぞれ以下の7つとしている。
 
 「プロダクティビティ」
  * 一致協力
  * ゴールと戦略
  * 職責の遂行
  * 能動的
  * 意思決定
  * 人的資源
  * チームリーダーシップ
 
 「ポジティビティ」
  * 信頼
  * 尊敬
  * 仲間意識
  * 明確で効果的なコミュニケーション
  * 建設的なやり取り
  * 多様性の尊重
  * 楽観性
 
これらの要素を確認することでベストチームの姿をより現実的なものとして感じられるはずだ。

うん。 どれも同意できますね。

特に大事なのは「信頼」と「尊敬」、そして「多様性の尊重」です。 人の強みを活かして、弱みをカバーするためには、土台にこれらがなければ不可能だと思います。

ところで、Wikipediaには

チームワーク - Wikipedia

チームワーク(teamwork)とは集団に属しているメンバーが同じ目標を達成するために行う作業、協力、意識、行動など。
 
最近の企業ではチームワークと正反対の成果主義の導入を導入する事により競争意識は向上したものの、同僚との情報やノウハウの共有が行われなくなり若手が育たないなどといった弊害が起こり従業員のの全体的な士気が低下しているという。そのためチームワークの重要性が再認識されている。

と書いてあるんですが、チームワークと成果主義というのは正反対、相反するものなんですかね?
チームでやろうが個人でやろうが関係なく、成果に対して正当に報酬を与えるというのが成果主義だと思うんですが。

成果主義 - Wikipedia

成果主義に対する用語としては、過程主義、努力主義、能力主義、実力主義などがある。 日本においては、"成果を出す=能力が高い"という考え方が根強いことから、成果主義と能力主義が混同されることがあるが、能力主義とは結果に結びつかない潜在能力をも評価対象にするものであり、概念上は全く異なる。
 
成果主義と類似の意味を持つものとして結果主義がある。成果主義も結果主義も、ある課題の最終的な状態を重視することにかわりないが、結果主義の方が過程や最終状態の妥当性を考慮せず、成績の数値などがより単純に反映されるニュアンスが強い。

企業における実際の勤務評定は、成果主義を取り入れているといっても100%それで決まるなんて単純なものではなくて、成果を出すためのプロセスや上司の持つ印象なども加味されます。 前提として「人数枠」というものもありますしね。 成果原理主義からしたら、既にそれは成果主義ではないでしょうけど。
昇格とかになると、単年だけでなく過去数年の成果や今後の期待、部門にとっての必要性、さらには年齢、在位年数、新卒/中途入社、学歴なども絡んできます。

経営上の判断結果として[2]、受注段階から赤字となる(すなわち業務成績上の失敗が確定している)業務プロジェクトがしばしば発生する。その担当者は、個々人のいかなる結果の創出にもかかわらず、プロジェクトそのものが失敗であるために評価を落とされる可能性が非常に高い。特に日本ではこのあたりの取引が所属している部門の外からの横槍によるものも多いため、評価指標の再検討が困難であり、すなわち「貧乏籤を引かされた」状況になる。また、失敗プロジェクトの後始末要員についても、評価が非常に難しいため同様の問題がしばしば発生している。

これはよく分かります。 ウチでもありますから。