懸念高まる！ ロシアが仕掛けるガス価格戦争：日経ビジネスオンライン
アナリストらは、ガスプロムが価格戦争を主導するとすれば、そこには2つの明確な目的があると言う。1つは短期的なもの。価格を下げることで、米国産LNGを欧州市場から締め出すことだ。2つ目は長期的なもので、LNG開発プロジェクトへの投資意欲を削ぐことである。
最初の目的を達成するには、欧州のガススポット価格が、米国産ガスを欧州で販売するのにかかる限界費用を下回る必要がある。ブロス氏はこのシナリオが今年後半にも起こりそうだと見ている。しかし、その状態を維持するには痛みが伴うだろう。
持続性を考えるなら、ガスプロムは中期的な戦略を採用するだろう。来年または再来年にガス価格が上がっても、新規LNGプロジェクトが認可されることがないよう、欧州でのガス価格を管理することだ。
火事が自分の方へ延焼してくるのを防ぐには、自らの廻りに火をつけることです。
天然ガスでも「肉を切らせて骨を断つ」ダンピング競争が始まりそうですが、世界一高いプレミアムを払い続けているアジアのLNG価格にとっては好機かもしれませんね。