MicrosoftやIntelは、おそらく日本の家電メーカーを頼りにすることをあきらめ、日本の家電メーカーではない、デジタル家電メーカーを育てようと考えているという印象を持った。それを強く印象づけたのは、DellやHPといったIT業界の巨大セットメーカーによるデジタル家電への参入だと思う。
家電メーカーは、現在持っている地位をなるべく損なわないようにしつつ、オープンなネットワークに対応していきたいのでしょうね。
一方でIT業界の思惑は、デジタル家電に水平分業を持ち込んで、コモディティ化してしまおうということなのかしら。
一方では、CNET Japanには次のような記事も出ていました。
殴り込みをかけた家電市場で苦戦するPCメーカー - CNET Japan
「PCメーカーが成功したのは、顧客の生産効率を改善したことにある。だが、家庭用エンターテインメント分野はそうではない。ユーザーの心の動きや体験に伴う満足度をよく理解することが必要だ。我々は、消費者の求めているものを明らかにしようと徹底した研究開発を行なっている」とSonyの小宮山は述べる。「Dellが果たしてそのような業務環境を新たに整え、そしてユーザーの覚える満足感といったものを理解することができるのか、私には疑問だ」
この記事でDellの重役が言うとおり、Dellが成功したのは「技術が成熟して標準化された市場に、効率的な生産システムを持ち込むことができたから」で、技術開発に優れていたからではないんですね。 そういう部分はデバイスメーカーに任せてしまえ、というのがITメーカーです。
対照的に、数年前から松下やソニーがシステムLSIの自社開発に力を入れているのは、技術開発の主導権を握られたくないからなのでしょう。 特にソニーはCELLプロセッサで、Intelと戦っていくつもりみたいだし。
家電メーカーは滅び行く恐竜なのか? 同じ製造業に携わるものとして、興味あるところです。