品質は大切。しかし、バランス感覚はもっと大切。品質偏重は、多くの場合、どこかで「ユーザーがついてこれない」状況に陥る。ユーザーに振り回される必要はないけれど、作り手側がユーザーをしっかり見て、プロダクトやサービスを通じてコミュニケーションしていく必要がある。例えばFTTHや地上デジタル放送は、提供品質設定のさじ加減や、ユーザーとのコミュニケーションの部分が、うまくいってないのでは?と率直に感じている。
よく言う「WIN-WINな関係」ですね。
消費財については、概ね同意です。 自動車会社でも'90年頃に、”過剰品質による高コスト体質”への反省がありました。
ただ嗜好品的性格が強い場合、ある種の”過剰さ”はステイタスでもあり、ブランド力の源泉ともなります。 ベンツはAクラスから「普通の会社」になりましたが、それを惜しむ声があるのも事実です。
MDが出た時に「非可逆圧縮でCDより音が悪い」ということで、普及に疑問の声がありましたが、結果はご覧の通り。 逆にDATやSACD、DVD Audioは、期待通りにはいきませんでした。
ハイビジョンは大画面薄型テレビの普及で、ようやく技術にニーズが追いついてきたような気がします。 でもアナログ時代からの、20年に渡る蓄積があればこそようやく花開いた訳で、一概に”高過ぎる品質”を否定できないようにも思います。
結局、品質とニーズの関係は、規格の寿命やインフラ構築コスト、大量のユーザー側ストックの有無などによって変わってくるのでしょう。 あとはスケーラビリティーですね。 auのcdmaOne→1X→EV-DOという段階的な移行は成功しましたが、DoCoMoのFOMAは立ち上がりに苦戦しました。
今後興味深いのは、HD-DVDとBlue-Rayの規格競争ですね。
でもHDDの大容量化が更に進んで、TByteクラスの容量を持つようになると、いちいちメディアに書き出すなんてしなくなるかもしれません。 そうすると光ディスクはパッケージソフト(ROM)用になるのかな? でもFTTHが離陸して、昔言われたVoDが実現したら、パッケージもなくなるかもしれません。 消費者のメディア保有へのこだわりも、その頃にはなくなっているかもしれないし。
なんだか取り留めの無い話になりましたが、いろいろ考えさせられて楽しかったです。