しつけの後遺症

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asahi.com: お母さんはしつけをしないで [著]長谷川博一

しつけ熱心な親の子どもは、親の小言に日々従わざるをえない。少子化と家庭の孤立化で、子どもには逃げ場がなく、じきに「支配—被支配」の人間関係に馴らされ、主体性を失って、自己否定に陥っていく。
 
「将来のため」とがんばるお母さんほど子どもの「後遺症」が大きくなるという、信じがたい現状を読者に納得してほしいと、多数の例があげられており、説得力がある。 今の子は「しつけ不足」どころか「しつけ過多」。子どもをありのまま受け入れる「母性」の不足こそが問題の根源にある。

確かに放任という意味では、自分の子供の頃の方がそういう傾向が強かったように思う。 そして、校内暴力やツッパリが問題になったわけだ。 その反省に立って、しっかりしつけようとしているのだろう。 おかげで、昔のように見るからに素行が悪いという生徒は見掛けなくなった。
でもそれは単に大人の前では”いい子”にしているだけで、親からの抑圧によるストレスは、いつ理性を消し飛ばしてもおかしくないほど高まっているのかもしれない。

大変だけど、頑張ってください。