耐震構造計算

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記者コラム「見た 聞いた 思った」 - 購買意欲がなくなる

--審査機関が不正を見抜けないほど構造計算は難しいのか
 
田中氏 建築主、販売会社…ほとんどの人が分かっていない。誰も気付かないから、手を抜いた人が勝ちというか、過剰設計だ、仕事が遅いと言われ、まじめにやる人が損する風潮がある。早くやる、コストを抑える構造設計者が評価されてしまう。残念だが、それが現実。現場の人間としては、今回の問題を姉歯氏の責任だけで終わらせてはいけないと思う。

自分は機械設計が生業なので、建築設計についてはよく分かっていないんですが。

構造計算ってのはあくまで設計が妥当かどうかを判断する仕事なんでしょ? で、姉歯氏は”妥当じゃない設計”に対して構造計算して、それを妥当とする計算書を偽造した、と。 耐震強度を満たす正しい設計に対して、姉歯氏が「この梁は要らないから抜いちゃいましょう」とか、「鉄骨はこの半分でいいです」などと改悪した訳じゃないんだよね?

だとしたら、確かに姉歯氏の偽造の罪は重いけど、元から耐震強度を大幅に下回る設計をした設計者が一番罪が重いんじゃないかと思うんだけど。 建築主や施工業者、検査会社の罪ももちろんだけどね。

蛇足として言えば、マンションの購入者や入居者には、もちろん罪はない。 でも、罪はなくても殺される人はいるし、欠陥商品を買って「安物買いの銭失い」になることなんて、別に珍しくもない。 「命に関わる」のは確かだけど、それは三菱自動車の欠陥車問題でも同じことだよね。 あっちは実際に死人が出ているし。

日本人の悪いところは、なんでも責任を”お上”に持っていくことだと思うけど、それはたぶん太平洋戦争への突入とその敗戦を、全て当時の指導者に持っていったところから始まっているんだろうなぁ。