オペアンプのこと。 NE5532ANはデュアル、NE5534Nはシングルです。
NE5532は、オーディオ用デュアルオペアンプとしてはかなり古くからある物のようです。 市販のオーディオ機器や、プロ用機材でもよく使われているみたい。
開発元のSignetics社以外にも、TIやJRCなどからも同等品が出ていますが、音はそれぞれ違うようです。
ネットで収集した限りでは、音質の傾向は中低域を中心とした音の厚みが特徴。 反面、艶にちょっと欠けるようです。
NE5534の方も、音が厚くて力強い方向らしいく、情報量と繊細さを求めるのは酷とのこと。
どちらも、ほぼオーディオ機器として聴いた時の印象に近いものがあります。
そういえば、M-AUDIOの発売元 High Resolution Co.,Ltd.のサイトで面白い記事を発見しました。
Q:オペアンプTL072をOPA2604もしくはTL082に変更したいのですが、いかがでしょうか? 何かアドバイスをください。
A:絶対に改造はしないでください!改造は保証対象外になることはもちろんのこと、この改造によって、サウンドが良くなることもありません。どうして我々がTL072を採用したか、ご説明します。
長年にわたって、我々は市場で良いとされているすべてのオペアンプICを試聴してきました。このテストにはHiFiサウンドソース、アンプとモニターを使用し、多くの人に聞いてもらいました。このテストを何回繰り返しても、我々は多くのオーディオに特化したICよりも、TL072の方が遥かに自然なサウンドを実現するオペアンプであるという結論に至りました。NE5532の方が全体的にパワーがあり、低域はもう少しソリッドですが、中高域の輪郭に欠け、採用するには厳しいものでした。
TL072の唯一の欠点と言えば、いくつかの新しいICよりもノイズレベルが高いことです。それでも、TL027のユニティゲイン時のノイズフロアは-108dBで、これは優秀であることをあらわします。ノイズに最も重要に関わっているパートはマイクロフォンプリアンプ(そのために我々はこの部分に高い透明感を持つBurr-Brown INA217を採用)で、典型的なJoemeekシグナルパス内のTL072はマイクプリアンプよりも低いノイズフロアが確保されています。そして半導体ベースの電子部品を使用するプリアンプのノイズフロアは物理学によって決定されることを覚えておいてください。
もし、TL072を改善する方法があるとしたら、これと同じ回路をディスクリートで作ることでしかありません。しかし、これを実現するには大変複雑で、莫大なコストがかかることをも意味します。つまり、TL072は我々が選択できるコストとパフォーマンスの両方に優れた最高のオペアンプといえます。
そういえば、ART DI/OのオペアンプがTL074(TL072のクアッド版)でした。
音楽製作機器の場合は、たとえ一部の帯域で特性が良くても、それが音にヘンなクセを付けてしまうなら排除すべきということでしょう。
逆にそういう機器をオーディオ的に使おうとすると、HiFi感が不足して感じてしまうようです。
NE5532ANの代替品としては、OPA2604、OPA2132PA、OPA2134PA、AD827JN、AD712JNZなどなど。
NE5534Nの代替品は、AD797AN、OPA627BP、OP275GPなどがありますね。
帰宅したら、Digi-Keyから届いていました。 相変わらず早いですね。