「軽」改革で国内テコ入れ (時流超流):NBonline(日経ビジネス オンライン)
まず、八千代の軽の組み立て拠点、四日市製作所(三重県四日市市)の隣接地に新工場を建設。ホンダの熊本製作所(熊本県大津町)の軽のエンジン生産を移管し、2009年から新工場でエンジン組み立てを始める。その後に順次、鋳造、加工も移し、エンジンから車両組み立てまでの一貫生産体制を敷く。熊本のAT(自動変速機)も四日市の近くのホンダの鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)に移管。ホンダの軽生産を一手に担う拠点とし、生産効率を大幅に引き上げる。
今月19日に会見した八千代の白石基厚社長は、「新工場建設に300億~400億円をかけ、生産コストを2ケタ(10%)以上削減する」と意気込む。今年6月にホンダから送り込まれた白石社長はホンダの元専務で、本田技術研究所元社長。生産本部長も歴任しており、福井社長も全幅の信頼を寄せる。
軽改革は生産面にとどまらない。福井社長と白石社長は「開発機能も徐々に八千代に移していく」と明かす。開発ノウハウを学ぶため、近く八千代から中堅技術者が本田技術研究所に派遣される見通しだ。八千代は受託生産会社にすぎなかったが、開発から生産を一貫して担う「完成車メーカー」と位置づけ、「オールホンダ」として経営資源を最適配分する狙いだ。
和光(エンジン)と狭山(車体)は統合しましたが、いまだに浜松からATミッションを送っていたりして、非効率的なところが多いんですよね。 ホンダって。
今回の軽自動車の一貫生産の決断も、遅きに失した感があります。
八千代移管の効果はまだあって、子会社化したとはいえ労働協約まで同じじゃないですから、当然賃金も異なります。 ホンダより高いハズはないので、八千代に集約すればするほどコストダウンになります。
もしホンダが八千代も同じ労働協約にすると決断したら、大したものですけどね。 「人間尊重」が社是のことだけあります。
電機メーカーなどは工場は別会社で、本社とは賃金レベルが違うのが当たり前です。 それでも地方なんかだと、相対的に給料はいいし、「日○電○」とか「富○通」とか名前がついていると、かっこいいし安心感がありますよね(今はそういう「寄らば大樹」意識は崩壊してると思いますが、私が就職活動した20年前はそうでした)。
自動車メーカーでも、トヨタや日産は車体子会社をたくさん擁しています。 関東自動車工業とか、日産車体とかですね。 三菱自にも、パジェロ製造がありますね。
トヨタ自動車九州もトヨタ自動車の100%子会社ですが、労働協約は違うんじゃないのかな?
そう考えると、ホンダがコストに余裕のない軽自動車を八千代に移管したいと考えるのは自然なことです。
そして、今後もどんどん国内市場が縮退していくと、ホンダに限らずいままで本社が抱えてきた工場をどんどん別会社にして、労働協約も別にする(要するに賃金水準を下げる)動きが出てくるかもしれません。 中国、韓国やインドとの競争を考えると、やむを得ないんでしょうが。
ただ自動車の場合は、完成車工場の人件費が10%下がったとしても、製造コストは2%も下がらないんじゃないかしら。
SEDを分離すると、日本企業の良さであった「摺り合わせ」が発揮出来ず、競争力を失うことになるかもしれません。 給与体系が異なると、企業内の人材の流動性も阻害されますからね。
果たしてどうなっていくことやら。