革命でもなければ今の中国はずっと変わらない

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壊れた中国 (BusinessWeek):NBonline(日経ビジネス オンライン)

ただし、欧米各国は動乱を経て、国民の手で新政府を樹立し、社会改革を実現した。韓国と台湾は、縁故資本主義を排除し、さんざん苦労して民主主義へ転換を果たした。中国共産党は対照的で、政治改革を断固推進しようという意志は微塵も感じられない。それどころか、反対勢力に弾圧をかける始末である。
 
公正を期して、このように問うてみよう。何十年も改革を進めたからといって、中国が金融、法律、行政の制度を作り変えて、近代的な産業社会を構築するなどといまさらどうして考えられるのか。現状を改善するには、トウ・ショウヘイ氏と共産党および人民との間で結ばれた歴史的妥協によって野放しになった利己主義を手当てするしかない。
 
そのためには、地方官僚に規制逃れをさせない法制度、単なるGDP成長率だけでない数的指標に基づいた役人の評価システム、起業家を育成し報いるような資本市場が必要となる。つまり、ビジネスから共産党を排除しなければならないのだ。
 
だが、今の段階ではそのような革命的変化は政治的に不可能だ。したがって、今日我々が目にしている中国の惨憺たる国内事情は10年後もほとんど変わらないと考えるのが妥当だろう。

暗澹たる気持ちにさせられるレポートです。

よく「日本など先進国だって、過去には公害やエネルギー浪費をしていたじゃないか」と言う人が居ますが、当時はそれが「普通」だったんです。 今の「普通」は、環境や安全が優先する持続可能な社会ですよね。
50年前の先進国の教訓を「他山の石」とせず、経済最優先で突っ走るのは、どうみても賢いとは言えません。

中央政府と地方官僚の話など、まるで三国志の頃の話みたいですね。 流石に宦官は出てきませんが。 一つの国として束ねるには、中国はあまりに広く人口が多すぎるのでしょう。

革命が起きる前に、世界的に食料やエネルギー資源が底を突き、巨体を支えられなくなる方が先のような気がします。 いくら外貨を持っていても、本当に足りなくなれば買えないですからね。 もちろんその時は、日本も無事では済まないでしょうけど。

促成栽培だけどお手本があるのだから、中国にも先進国並みの社会システムを作れるハズと漠然と考えていましたが、法令順守や社会正義に対する国民の意識ってのは簡単には変わらないということなんでしょう。