【池原照雄の単眼複眼】「高コスト体質」是正が国内投資を復活させる | Response.
一方で、国内市場の縮小による過剰能力のリスクや、コスト面で競争力は維持できるのかという懸念もある。しかし、後者のコストをめぐる環境は、この10年で大きく変わっている。90年代半ばに頻繁に使われた日本の「高コスト体質」という言葉は、現状では死語に近くなった。
内閣府が8月に公表した2007年度版の「経済財政白書」(旧経済白書)が、そのあたりをよく分析している。米国との比較による製造業の労働コスト(単位労働費用)は、05年から米国を下回る水準となっているのだ。
(中 略)
日米間の労働コスト差がもっとも開いたのは95年で、日本は米国の1.8倍だった。しかし、米国側の一貫した賃金上昇もあって05年には実に20年ぶりに逆転。06年には米国を1とすると日本は0.85と、15%割安になっている。新興諸国に比べれば、なお高コストにあるわけだが、先進諸国では「並」の国となった。
これもまた経団連時代からの奥田会長の実績だね。