ITmedia D LifeStyle:BDAに聞く「フォーマット戦争」と「Blu-ray Discのこれから」
――個人的には、これほど長い間、BDとHD DVDに関する取材を続けることになるとは思っていませんでした。しかし、振り返ってみると“フォーマット戦争”と言えるようなことは、ほとんどなかったのでは。昨年末に本格的にビジネスが開始された頃には、BDの弱点はほとんどすべてが解決され、それ以前にさかのぼっても有望性はBDの方が上でした。アンディさん自身、”フォーマット戦争といったものはあった”と感じていますか?
パーソンズ氏: それは興味深い視点です。BDAに参加している企業も、そして東芝も、技術企業です。技術によって製品を生み出し、生活を豊かにすることを目標にしています。そうした意味では、東芝は彼らが信じることに従って、彼ら独自の技術開発を行ってHD DVD事業を進めてきたのでしょう。HDTVの普及に伴って、パッケージ販売される光ディスクもHDになっていく。そのために最良のフォーマットを作ろうとしてきたのは、BDAも東芝も同じだったと思います。ただ、大変に残念なことですが、東芝は我々の開発してきたBDという技術に合意できなかったということです。
私は個人的に、東芝も技術イノベーションを起こそうと開発の努力をしていたと思います。そうした意味では、目標とするところは全く同じで、(外から見ていた印象とは異なり)”戦争”といった表現のことは最初から無かったのかもしれません。
オトナだねぇ。
DVDとの競争というこれからの道のりを考えると、喜んでばかりは居られないというのもあるんでしょうが。
フォーマット戦争は、”稀代のエンターティナー”である東芝の藤井上席常務が作り出した幻(イリュージョン)であったのかもしれません。
藤井上席常務には是非とも手記を出版してもらいたいところです。