戦後というのは、次の戦争が始まるまでの期間ともいいますが。
Life is beautiful: Apple TV - take II
ちまたには、東芝がHD DVDから撤退という話が流れているが、そもそもDVD以降の物理媒体には手を出すつもりのない私には一切関係がない話。やっぱりこれからはネット経由でしょう、どう考えても。
こういう風に言い切っちゃうと、頭良さげにみえるよね。
「ほら、だから、こんな戦争に意味はないんですよ」。そういいたくなる気持ちもわからないではない。だが、違うのだ。問題なのは、いつ「究極的にネットが勝つ」時代がやってくるか、ということである。
技術的にいえば、現時点で、「マスに向けた商業ベースの、オンデマンド形式での高画質映像配信」は不可能である。理由は、回線ではない。むしろ、一番の問題は「サーバー」と「ルーター」だ。
(中 略)
コンピュータの性能が上がっていけば、これらの問題はいつか解決されるだろう。だが、少なくとも、今のサーバーの能力が1桁上がる程度では、カバーは難しい。真にマス向けの高画質映像配信ができる環境が整うのは、早くて5年後、長ければ10年くらい先の話だろうと予想される。
ここで家電メーカーに話を戻す。10年後にネット配信が十分なクオリティを持ち、そこに軸足を乗せられるようになるとしても、それまでの間、 DVDでビジネスをやるわけにはいかない。だからこそ、「最後の現実解」として、BDやHD DVDといった光ディスクが必要となるのである。
非常によくわかる理屈ですね。
ケーブルテレビのように、放送として垂れ流すならまだしも、IPベースでオンデマンドにBDレベルの映像を通信するのは、難易度高いでしょうね。
たとえNGNでも、事業ベースでは厳しいんじゃないかな。
【緊急寄稿】東芝HD DVD撤退へ! ハリウッドは「IT」を選ばず「光ディスク」を選んだ - 日経トレンディネット
今回の“東芝HD DVD撤退”スクープには「東芝上層部の意志が働いたと推測される」「上から大なたを振るわないと争いは終わらない、ということなのだろう」などなど、さまざまな憶測が飛び交っている。だが漁夫の利(?)を狙っていた、マイクロソフトを代表とするIT産業には早過ぎる決着と言えそうだ。IT産業の狙いが「HD DVDを推奨することによって次世代光メディアを分裂させて、ネット配信までの時間を稼ぐこと」だとすれば、まだ期は熟していない。現状のインターネットのバンド幅やスループットからすると、高解像度動画の有料ネット配信にはほど遠い状況と言えるからだ。
今回の予想以上に早い統一劇に、ハリウッド(米国映画産業)の意志が大きく働いたことは確かだろう。ハリウッドは「BDかHD DVDのどちらを選ぶか」で語られる場合が多いが、大局から見ると「ハリウッドはITを選ばずに、日本の家電メーカーの光ディスクを選んだ」と言えそうだ。
ハリウッドがどの程度ネット配信を現実的に捉えていたか疑問がありますが、「本格的に商売したい」からBDを選んだのは確かでしょうね。
日経エレクトロニクス2000年7月17日号に掲載され、Blu-ray Discの規格策定の担当者をして「Blu-ray Discの生みの親といえるかもしれない」、「この記事により我々は危機感をあおられ,次世代光ディスク規格について話し合う機運が盛り上がった」と言わしめた記事があります。 これを読むと次世代DVDの開発は、当初からHDDのビット単価下落および広帯域ネット普及までの”時間との戦い”だったことが分かります。
光ディスク絶体絶命 :東芝のHD DVD撤退~報道特設サイト- Tech-On!
次世代光ディスクを普及させるシナリオはこれしかない。まずは,HDD,テープにない使い勝手を武器に録画市場へ参入, HDDレコーダとの連携を図り,「HDD+光」を実現する。成功の条件は早期投入による早期普及。遅れは命取りになるだろう。 HDDとそれにつながる広帯域ネットワークが行き渡れば,もう,新たに次世代光ディスクを求める理由はなくなる。 2002年~2003年。それは目標であり,デッドラインでもある。(中略)
ところが時を同じくして,ハード・ディスク装置(HDD)とディジタル放送,広帯域ネットワークを組み合わせた“光ディスクを使わないディジタル録画”の世界が,目前に姿を現わし始めた1,2)。危機感を募らせているのは光ディスク・メーカだ(図1)。苦労して次世代光ディスクを製品化しても,もう市場はないかもしれない…。
結局、AACSなども含めて規格策定が遅れて、市場投入は3年くらい遅れた訳ですが、ギリギリ間に合ったという感じですね。