笠原一輝のユビキタス情報局 「より薄く」を第一目標に据えた新世代ThinkPad ~ThinkPad X300開発者インタビュー
「取り外し可能なドライブにしようとすると、ドライブの外部に追加のパネルを取り付けたり、取り外しのための機構を本体側に用意する必要がある。それは、今回の薄くというコンセプトと相反するものになるので今回はそれは見送ることにした」
(中 略)
「当初カードスロットを入れることも考えたのだが、PCカード、ExpressCard、CF、SDなどをどれか1つだけと考えると、どれも帯に短したすきに長しだった。そこで、カードスロットを用意しない代わりに、3つのUSBポートを装着することにした。それはメモリカードスロットも、通信モジュールもPCカードもUSBで代替することはできるが、その逆は難しいと判断したからだ」(田保氏)
私のT61のウルトラベイスリムには、セカンドHDDアダプターが入っています。 光学ドライブは必要ないけど、大容量のデータを持ち歩く必要があるので、250GBの2.5インチHDDを増設している訳です(ブートHDDは80GB)。
X300は内蔵ストレージの増設ができないのがちょっとね。 SSDのスロットがもう一つあると良かったのですが。
もっとも私のような使い方にはX300じゃなくて、T61が合っているということなんでしょうね。 ちなみにT61にもUSBポートは3つあります。
他にも気になる記述が。
従来のXシリーズやTシリーズでは、無線の規格毎にアンテナを用意していた。例えば、UWBと無線LANが利用可能なモデルの場合、液晶の内部に複数のアンテナがあり、それによりそれぞれ受信していた。しかし、それではスペース的にも小型化が難しく、場所によっては感度のよいところと悪いところがでてきてしまうなどの問題点があった。
しかしX300は、液晶の上部に用意されている2つの一体型アンテナにより、複数の周波数を受信できるのだという。一体型アンテナとはいえ、実際にはそれぞれの周波数毎に枝分かれしており、それぞれの周波数帯を受信することが出来るようになっている。「この2つの一体型アンテナの中に、無線LANが3つ、無線WANが2つ、UWBが1つ、GPSが1つ、WiMAXが2つというアンテナが入っている」(木下氏)との言葉の通り、今のところ考え得る限り、全ての無線通信の規格に対応できるようになっているのだ。つまり、将来的に、無線WAN(HSDPAやEV-DOなど)やUWB、GPS、WiMAXなどの機能を搭載するモデルをリリースすることが可能である設計になっているということだ。
そりゃ結構な話ですが、BIOSで純正通信カード以外を弾くのは止めてもらいたいところです。
プロセッサについても、
アップルなどには1.6GHzや1.8GHzのSKUが搭載されているが、X300ではSL7100というプロセッサー・ナンバーで呼ばれる1.2GHzのSKUが採用されている(いわゆる低電圧版のプロセッサとなる)。なぜX300がやや低いSKUなのかと質問を向けてみると「具体的な数値は言えないが、一般的な低電圧版のプロセッサのTDPよりは低めに設定されている」(田保氏)との答えが返ってきた。通常の低電圧版のTDPは17Wであるから、それよりも低い数値に設定されているということだろう。それであれば、1.2GHzというやや低めなクロックに設定されているのも納得できる話だ。
バッテリーが違うとはいえ、MacBook Air よりも低クロックなのに、バッテリー駆動時間が低いのは納得できませんね。 廃熱処理はThinkPadの優位性の一つだと思っていたのに、残念です。
ストレージにはSSDが採用されている。しかも、今回の製品ではすべてのモデルが64GBのSSDのみで、HDDを搭載したモデルは用意されていない。「今回はX300をフラッグシップとして位置づけており、とんがったスペックにしたかった。このため、米国向けモデルなども含め、てすべてがSSDになっている」(木下氏)とのことだった。ちなみに、採用されているSSDは、1.8インチHDDと同形状のもので、そのままSATAの1.8インチHDDに置き換えることはもちろん可能だ。実際、保証の範囲外ではあるが、ユーザーレベルでHDDへの交換も可能であり、将来のアップグレードパスも用意されているのは嬉しい点だと言えるのではないだろうか。
たぶん、半年くらい経ったら1.8インチHDDを採用したモデルも出るんでしょうね。 最近は1.8インチでも120GBクラスの製品が出てきましたから。