カムシャフトによるバルブオーバーラップの違い

バルブオーバーラップの確認のため、JUNの96ccカム(左)と280度カム(右)を予備の支那ヘッドに入れて検証してみました。

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まずは280度カムから。 上死点からEXバルブが最大に開いた状態。

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EXバルブが閉まる直前に、INバルブが開きはじめるところ。

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INバルブの最大リフト時。

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以上のことから分かるように、EXとINの双方のバルブが開いている時間は非常に短く、バルブが干渉する心配はないでしょう。


次に96ccカム。 同じくEXバルブの最大リフトから、

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EXバルブが戻り始めて、INバルブが開く直前の状態。 まだかなりEXバルブは開いています。

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INバルブが開いて、EXバルブと最接近した状態。 その間1mmあるかどうか。

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INバルブが最大に開いた状態。

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96ccカムを見ると、INとEXのカム山が非常に近いのがわかります。 今回の結果は、それを反映したものです。 バルブタイミングを公表しているメーカーはSP武川など少数なので、どうしても見た目で判断せざるを得ないのですが、カムを選ぶ場合には280度など単に作用角だけでなく、IN/EX間の位相にも注目すべしということですね。

今使っている97cc~105ccカムも同傾向(リフトはより大きい)なので、これ以上のバルブ径拡大は無理そうです。 IN、EXバルブがそれぞれ半径1mmずつ大きくなったら、あのクリアランスでは絶対に当たりますもんね。