絶頂を極めたら、あとは下る一方

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トヨタが直面する「世界一」の代償、過剰生産解消が急務(ロイター) - Yahoo!ニュース

自動車メーカーが黒字を確保するために必要な工場の稼働率(損益分岐点)は、7割が一般的な水準とされる。トヨタは明らかにしていないが、関係者によると、同社の損益分岐点は8割程度まで上昇しているとみられる。需要が2割落ちれば採算割れする計算で、同関係者は「意外にぜい弱な体質になっていた」と話す。
 
トヨタは年間約1000万台の生産能力を抱えるものの、2009年3月期の販売は前年実績比15%減の754万台を見込んでいる。昨年末に今年度2度目の業績下方修正をした際、売上高の修正幅が1兆5000億円だったのに対し、営業損益の引き下げ幅が7500億円と大きかったのは、円高の影響もさることながら「操業率が損益分岐点を下回ったことが影響している」(証券アナリスト)とみられる。
 
トヨタの損益分岐点が上昇したのは、1990年代半ば以降の規模拡大で、生産設備と人員が膨らんだ影響が大きい。2010年代の早期に世界シェアを15%に引き上げることを目指し、年間50万─60万台という富士重工業クラスのメーカーが毎年1社誕生するペースで世界各地に生産拠点を開設してきた。

もともと自動車メーカーというのは、売上高の割に利益率が低いことで知られています。 だからちょっと工場を停めるだけで、どかんと赤字が出るんですね。

このままいくとGMの二の舞になりそうなトヨタですが、

別の関係者によると、国内工場では2月と3月の生産が、昨年末に計画していた前年比3割減を上回り、半減近くまで落ち込む見込みだという。海外への輸出が多い国内工場は円高のマイナス影響を受けるため「統廃合して生産の海外シフトを一段と強化せざるをえない」(別の証券アナリスト)との指摘もある。

「国内生産300万台体制の維持」はもう不可能でしょう。 200万台くらいにまで絞る必要があるんじゃないかな。

asahi.com(朝日新聞社):トヨタ、拡大一辺倒主義を反省 世界基本計画破棄 - 愛車

グローバルマスタープランは、5年先までの商品ごとの販売・生産台数を記した計画。02年に登場した。
 
海外展開を積極的に進めるにあたり、社員や部品メーカーに大まかな拡大計画を示した方がよいとの判断で作成した。だが、そこで示された数値を必達目標と受け止める社員が増加。全社的に「プランを重視するあまり、仕事の進め方が計画達成のために向かい、販売や生産の現場の声を聞く姿勢が薄れる」(トヨタ幹部)状況が生まれた。
 
工場建設や人材配置の方針も、同計画の数値を出発点に決められるようになり、拡大偏重主義に走った。米国の信用バブルに崩壊の兆しが見え始めた07年4月に、米・ミシシッピ工場を着工してしまったのはその典型例だ。同工場は現在、販売回復が見込めなくなり操業のめどが立たない状況に追い込まれている。
 
金融危機をきっかけに深刻な販売不振が起きると、必達主義は生産にブレーキをかけるのを遅らせる原因になり、09年3月期決算が戦後初の営業赤字に転落する見通しになるなど、現在の危機的状況をつくってしまった、とトヨタは分析している。

02年というと、張富士夫現会長が社長だった時代ですね。