日産、初の賃下げ回答で調整 ベアゼロ、副業も容認

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【春闘09】日産、初の賃下げ回答で調整 ベアゼロ、副業も容認(フジサンケイ ビジネスアイ) - Yahoo!ニュース

日産自動車が、今春闘で組合側が求めていた賃金改善要求に対し、定期昇給分に当たる賃金制度維持分(月額6000円)を圧縮する方向で調整に入ったことが6日、分かった。賃金改善(実質的なベースアップ)もゼロ回答とする方針で、事実上の賃下げになる。2004年の成果主義導入以来初めての措置となる。また、休業日の副業も認める方針で、他の産別の労使交渉にも大きな影響を与えそうだ。(中略)
 
年間一時金についても、組合側は前年より0.9カ月分減らした5.2カ月分を求めていたが、「4.0カ月も困難」(同社幹部)としている。

「ストやるならすればぁ? その分、給料カットできるし~」と会社側はタカをくくっているんでしょうね。

解説によると、

これまでの春闘では、定期昇給カットにまで踏み込む議論はなされていなかったが、今春闘で会社側は「聖域なき見直しを行う」(日産の川口均常務執行役員)と強気の構えを崩さない。その上で会社側が主張するのが、「1年後の月額給与がマイナスにならない限りは賃上げだ」とする新たな見解だ。一方で、組合側は「ベースアップ(ベア)を上乗せして初めて賃上げになる」としており、定昇カットについては断固反対の構えを貫く。
 
会社側が定昇カットを「賃下げではない」と主張するのは、「賃金があまりにも下方硬直的」(自動車メーカー幹部)で、現状の賃金体系では人件費圧縮が図りにくいためだ。大幅な労務費削減が求められる中で、ベアゼロに加えて、定昇カットに踏み込まなければ、目標の労務費カットに届かない可能性が高い。

毎年のように過去最高益を上げていた時期でも、「将来が不透明なので」とかいって労働分配率は低いままでした。
昨年の春闘でも、組合側が「物価上昇は始まっている」と主張しても、「政府の統計にはまだ表れていない」として、ほとんどベアを認めませんでした。

じゃあ好業績のときに我慢したぶん、不景気になっても雇用や賃金を維持してくれるのか?といえばあっさり人員削減に賃金カット。
昨年の物価上昇が1%を越えたから、ベアを実施するのかというと、業績不振だからできないという。
結局、会社側の言うことは二枚舌なんですよね。


個人的には、このご時世にベアはムリだろうと思っています。 組合もムリを承知で、一時金満額を勝ち取るための、譲歩の材料として設定したんじゃないかと。

でも会社側が二枚舌を使いすぎると、やっぱり従業員の信頼を失いますし、従業員に協力をお願いしなければならない事態になったとき、すんなりとはいかないと思います。
因果応報というか、必ずツケは回ってきますよ。


しっかし、日産は本当に資金繰りが苦しいんだろうね。 毎年数千億円の利益を上げていたけれど、ルノーに吸い上げられていたから残ってないんだろうね。
ROEを重視すると、内部留保なんてムダ以外の何者でもないでしょうし。

月刊『BOSS』の4月号に、ゴーン10年「10の真実」という特集記事がありました。 コンビニで立ち読みしましたが面白かったです。

 カルロス・ゴーンは稀代の名(迷)経営者?
 再び赤字に転落した日産・ゴーンの蹉跌
 1.コミットメント/「必達目標」は事実上撤回 ゴーンの「二枚舌」
 2.販売台数/デザイン重視も長続きせず失速
 3.コストカット/将来のカネより目先のカネにこだわったゴーン改革
 4.ゴーンショック/ゴーンが引き金引いた「NKK・川鉄合併劇」
 5.ルノーとの関係/ロシアか中国か?ルノーが日産を売却する日
 6.海外展開/ルノーの思惑で右往左往 インドでは足場踏み外し
 7.新規事業/トヨタ、ホンダは「ロボット」日産はゴーンの「ロボット」
 8.商品力/ハイブリッドでは10年遅れ「技術のニッサン」はいずこ
 9.販売力/「売れる車が欲しい」販売店の悲痛な叫び
 10.後継者/「絶対君主」の後継はいまだ五里霧中

ゴーン氏だけを責めてもどうなるものでもないと思いますけどね。