プラグイン・プリウスの姿は?

トヨタのプラグインハイブリッド車の姿は? - 日経Automotive Technology - Tech-On!

従来のプラグインハイブリッド車は、プリウスをベースとし、Ni-MH(ニッケル・水素)電池を通常のハイブリッド車の2倍積み、さらに電池の充電状態を表すSOCの使用範囲を約2倍程度にすることでEV(電気自動車)走行できる距離を13kmに伸ばしていました。通常のハイブリッド車のEV走行距離は3km程度といいますから、ほぼこの4倍になるわけです。(中略)
 
新型プリウスでも電池の基本的な配置は従来型と変わっておらず、後席後ろの部分に電池モジュールが搭載されています。その後ろにはスペアタイヤの搭載スペースが大きく空いており、この上に樹脂製のトレイを載せることで床下収納スペースを実現しています。ただ、25km走行するためにはNi-MH電池で従来の4倍の電池を積まなくてはなりません。
 
仮にLiイオン2次電池の体積当たりエネルギ密度がNi-MH電池の2倍になれば、SOCの使用範囲を従来のプラグイン車と同様に広げることで、理論上は現在の搭載スペースの2倍で26km走行できるプラグインハイブリッド車が完成します。しかし、Liイオン電池は周囲の電圧監視ユニットなどが体積をとるため、半分にはならないとの指摘もあります。そうすると、現在の電池モジュールの2/3程度の大きさまでしか小型化できないかもしれません。すると従来型プリウスに比べて電池モジュールの体積では2/3×2=1.3倍で13km走行、さらに2.6倍で26km走行となります。

回りくどい表現ですが、プラグインにすると電池容量で4倍、体積で2.6倍必要になるということですね?

Ni-MHに対してLiイオン電池の容量単価は4倍らしいので、そうすると電池のコストアップだけで16倍になります。 それで車両価格にどれぐらい反映できるんでしょうかね?


もしプラグインプリウス(以下、PHV)の車両価格が20万円高くなったとします。
新型プリウス(以下、HV)の実用燃費が23km/L(旧型は21km/Lくらい)として、プラグイン化で25km/Lになると仮定します。 ガソリン価格は¥125/Lとしましょう。

HVは4.35L/100kmに対し、PHVは4L/100kmですから、100kmあたり0.35Lのガソリンを節約できます。
車両価格の差額で、どのくらいのガソリンを買えるかというと、¥200,000 ÷ ¥125/L = 1,600L です。 これを節約できるガソリンで割ると 1,600L ÷ 0.35L × 100km = 457,142km。 つまり45万km以上乗らないとペイしない訳です。


もちろん、PHVの燃費改善効果がもっと高くなる可能性もありますし、ガソリン価格が昨夏のように¥200/L近くになるのかもしれません。

それでも「元が取れるプラグインハイブリッド」を作るためには、相当に性能が高い二次電池が必要で、それがあるなら電気自動車を作った方がマシのような気がします。