【隠れた世界企業】手作りで「生音」を再現:日経ビジネスオンライン
磁石やコイルを使うヘッドホンは、磁石の反発力を使って音を再現するため、音量を大きくすれば歪みが出て音が割れやすい。その点、スタックスのイヤースピーカーは静電気を用いて振動膜を引っ張るので、同じ音量で聴いたとしても音が割れにくいという。
オーケストラなどのような大編成の音楽を聴く際にも効果がある。一般のヘッドホンでは重低音の再現が得意な半面、高音域はつぶれやすく聞こえづらいとされる。ヘッドホンに使う素材によって、金管楽器や木管楽器などの「得意分野」が出やすく、再現できる音が生音とは少し変わってしまうのだ。
スタックスではそれぞれの楽器の小さな音でも鮮明に生音を再現する。クセが少なく、奥行きと透明度が高いクリアな音が出る点で評価が高い。
前出の角田氏は「レコーディングスタジオでは世界のデファクトスタンダード(事実上の標準)になっている」と語る。音を扱う仕事のプロが、自分たちが奏でる音がどのようなものなのかを確認する時に、スタックスは必要不可欠な存在となっているのだ。
オーディオだけではない。目黒陽造社長は「どのような音を発信しているかを検査するため、NHKの全国のFM局が使っていると聞く。加えて大学や企業など音に関する研究をする場所でもほとんど採用されている」と明かす。独メルセデス・ベンツの開発現場では、室内で異音が発生しないか、走行試験の際にスタックスのイヤースピーカーを使って検査するという。
かつて3万円のソニーのヘッドフォンを使っていたことがありますが、スタックスのイヤースピーカーは手が出なかったですね。
静電式って振動板固有の音色が乗らないし、振動膜の質量が限りなく小さいので、小さな音量でも「フッ」っと抵抗感なく音が出ます。
反面、聴感上はともかく数字上でのS/Nが悪かったりもします。
最近はオープンエアー式以外もあるみたいですし、良いヘッドフォンを探している人は、一度試してみると良いのではないでしょうか?