「ガラスのエンジン」で開発したマツダ「SKY-G」エンジン

ハイブリッド車を凌駕も:日経ビジネスオンライン

清の開発でマツダは、石英ガラスで作った透明の燃焼室を作った。この透き通ったエンジンを利用すれば、外部からも燃焼の様子を把握することができる。こうした実験装置は強度に問題があったが、近年になってガラス素材の強度が上がったことで、マツダの研究所にも導入された。
 
技術者が肉眼で確認して、シミュレーションと現実の違いを確認できたことで、最大の動力を引き出すために必要な課題が分かった。大切なのは排気のタイミングだ。エンジンで発生する力を最大限に引き出すには、排気をギリギリまで遅らせる必要がある。(中略)
 
一方、排気が遅すぎると、エンジン内で「ノッキング」と呼ばれる不完全な燃焼が発生する。ノッキングは、大きな振動を伴うため、クルマの走行に悪影響を及ぼす。
 
マツダはガラス製の透き通った燃焼室から見える排気の流れをハイスピードカメラで撮影、スローモーションで再生して、排気のタイミングを計算した。可視化で得られたデータを分析すると、これまでのシミュレーションとは異なる空気や炎の動きを把握できた。その分析値を利用して、最適な排気を実現するために、噴射するノズルやプラグの位置を微調整した。

最近ではスーパーコンピューターを使った流体解析が盛んですが、実物で検証できるならそれに越したことはありません。
4-2-1エキパイの採用など、「SKY-G」エンジンでの燃費を高める手法は、レーシングエンジンと相通じるものがあります。 燃焼効率を高めれば、燃費も向上するという好例ですね。