鳴らす音にもこだわった、GXRの合体機構

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夢と苦労を詰め込んだGXRの設計(下) - @IT MONOist

どうも納得できない……。その理由は、なかなかつかめなかったという。企画担当からは、「高級車のドアのように、スーッと静かに、引き込まれるように入る感じ」とのリクエストで、これは確かに満たしていた。……しかし、何かが違う。「静かに入っていくのですが……ぐしゅっとした感じが、どうも気持ちが悪い」(篠原氏)。
 
その不快感を解消したのは、音だった。「静かに」というリクエストとは、逆。
 
「カシッと音を鳴らすようにしてみたら、『これだっ!』という感じだったのです。音が鳴ると、操作に安心感が出るようなのです。事業部のトップや企画担当にも試してもらいましたが、共感してもらえました。静かなら、とにかくいいわけでもないようです。このとき、メカというのは、力量だけでなくて、五感を使って操作するものなんだな、と実感しました。結局、頭の中だけで考えても分からない部分があるということですね」(篠原氏)。
 
また、鳴らす音にもこだわった。試作初期では、ユニット同士の引っかけ部とロック解除レバーの揺動部とがほぼ同時に当たるような設計だったが、それだと何だか音が濁ってしまう。なので、当たる個所をユニット同士の引っかけ部の1カ所に絞り、そのレバーのバネ力を強くしてみたところ、非常に安心感のあるクリアな音になったとのこと。

一眼レフでは、よくシャッター音にこだわる人がいますよね。 デジタルになっても、カメラというのは「メカ」の存在感が大きいということです。