古い「利益誘導政治」の一掃を約束して政権を握った民主党が、いつのまにか、自民党より露骨な「利益誘導選挙」を繰り広げている。
長崎県知事選のさなか、現地入りした小沢一郎幹事長が民主党系候補への支援を訴えてこう叫んだ。「××君を選んでいただければ、高速道路をつくることもできますっ」
同じく応援に入った石井一選対委員長が、自民系に投票したらロクなことにはならんゾ、とすごんだ。正確には「そういう選択なら、政権はそれなりの姿勢を示す」と言ったのだが、立派な脅しだ。(中略)
福祉には財源がいる。外交には相手がある。公約見直しが堕落とは限らない。だが、「自民党の利益誘導は悪いが、民主党の利益誘導は良い」という新公約は受け入れられない。「改革のため」「政局安定のため」という詭弁(きべん)に鈍感であっていいはずがない。
このような状態で、今夏の参院選で民主党が過半数を取ったら、もっとひどい状態になるでしょうね。