なぜ主婦にHONDA耕運機が人気なのか | 達人のテクニック
実はそのころ、北條さんは自宅を新築したばかりだった。母屋の周囲に家庭菜園や芝地を配し、そこで夫人を巻き込んで休日ごとに農作業に励んだ。思索にふける中で見えてきたのは、次のような認識だったという。
「わが家はオール電化なので灯油ともガスとも無縁です。そもそも最近の主婦は、灯油でさえ使うのを嫌がります。ましてガソリン燃料の耕運機や芝刈り機なんて、彼女らにとっては問題外ではないのかと思いました。僕はバーベキューのときに炭をおこしますが、考えてみれば、妻にはこれも無理なんですね。では、屋外で火をおこしたり耕運機の燃料に使ったりするときの候補には何が残るのか。妻に聞くと『そうねえ、カセットコンロのガスくらいならできるかしら』というのです(笑)」
このようなやり取りを経て、北條さんは「カセット式ガスボンベで動く耕運機」というアイデアを温めるようになったのである。
そうなんだよね。 ウチは嫁が通勤でクルマを使うので、灯油を買ってくるのは嫁の仕事なんですが、ファンヒーターに灯油を入れるのは自分の仕事になってたりします。 セルフ式スタンドで自分でガソリン入れるのは平気なのにね。
嫁に聞いてみると、「火がついてしまうんじゃないかというのが怖い」ということでした。 あと、手に臭いがついたり、マニキュアが剥がれたりというのも敬遠する理由じゃないかと思います。
低コストにこだわり!HONDAカセットガス式エンジン | 達人のテクニック
「カセットガスを使う? いまさらなんで?」
意外にも、反対意見があちこちから湧き出してきたという。というのも、カセットガスをエンジンの燃料に使うというプランは数年前に着手済みで、当時のやり方では製造コストがかかりすぎることから商品化されずお蔵入りになっていたのである。
しかし、山ごもりの中で徹底的な議論を繰り返した結果、北條さんたちは「カセットガス式はガソリン式よりも決定的に優れている」という確信を得ていた。たとえば次のような不便がガソリン式にはある。
自動車とは違って、耕運機のガソリンタンクは密閉性が完璧とはいいがたい。注入口をきつく締めても、いくらかは隙間から揮発し、周囲にガソリン臭を振りまくことになる。そのため物置など戸外の収納場所に保管するしかないのだが、一般の家庭ではそれだけのスペースを確保するのは難しい。
また、シーズンオフには必ずタンクからガソリンを抜いて保管しなければならないが、これもプロ農家ではない一般家庭ではストレスのもとになっている。
それは確かにある。 灯油式ファンヒーターでも、仕舞うときは中の灯油を燃やしきる必要がありますが、あれも面倒なんですよね。
でもカセットガスの欠点は、廃棄物として空き缶が出てしまうことです。 都市ガスから充填とか出来たらいいのにね。