水説:円安ニッポンの政策=潮田道夫 - 毎日jp(毎日新聞)
通貨高で滅びた国はない。逆だ。経済危機は必ず通貨安とセットで表れる。ギリシャがそうだ。地盤沈下中の日本は中長期で円安は不可避であろう。いまから憂うつだ。
ここだけの話だが、霞が関の官庁街にも同じ見方の人が少なくない。彼らがいま立案中の政策の多くが、将来の円安を前提にしたものであることに注目すべきだ。
政府の肝いりで年金基金の一部をアジアのインフラ事業に投資するアイデアがそう。ある高官によれば「長期的に円安必至なのだから損しっこない」。なるほど。
郵便貯金や簡保資金で政府系ファンド(SWF)まがいを組成し海外投資しようというのも、円安が既定路線だから出てくる政策だろう。財務省が日本国債を外国人に買わせようと必死なのも、円安による実質負担の軽減を当て込んでいるに違いない。
金利が上昇するので、住宅ローンは固定金利がいいとよく言われますが、もう10年近く低金利状態です。 地球温暖化が叫ばれますが、今年の冬は猛烈な寒波が何度も襲来しました。
さて為替水準ですが、円安になるのか、それともさらなる円高に向かうのか?
Business Media 誠:勝間和代氏に聞く、デフレ時代に生きる3つのポイント
「仮にマイナス2%のデフレが向こう30年間続いたとすると、給料はほぼ半減します」
デフレは「モノの価値が下がる=お金の価値は逆に上がる」という状態なので、為替の円高を招きやすい。ギリシャの財政危機などで円高が進行しているところに、日本のデフレが加わると、加速度的に円高が進む恐れがある。
「円高がこれ以上進んだら、日本の輸出企業は壊滅的な打撃を受ける可能性があります」(中略)
このような状態がずっと続くと、どのようなことが起きるのか。勝間氏の見立てはこうだ。
「最終的に日本企業は国内に生産拠点を維持できなくなり、空洞化が進みます。下請けの中小企業も含めて国内の雇用はますます厳しくなる。これはもう『昭和恐慌』そのものです」
短期的にはもうちょい円高(85円くらい)になったりしそうですが、既に自動車メーカーはその程度レベルなら為替タフネスは身に付けつつあります。
問題は、円高になっている間に国内の部品生産が縮小され続けて、いざ円安になったときには残っていないかもしれないということです。