「財政再建」を旗印に、小鳩の負の遺産リセット狙う菅首相

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

連立の行方:’10参院選/上 リセット狙う菅首相 - 毎日jp(毎日新聞)

菅首相は16日、玄葉氏を官邸に呼び「消費税引き上げの時期に明確に踏み込みたい」と伝えた。マニフェストを発表した17日の記者会見では「今年度内に消費税に関する改革案をとりまとめていきたい」と表明。玄葉氏は引き上げ時期について「衆院選後だと思うが、12年度秋が最速」との補足説明に追われた。
 
首相を前のめりにさせたのは「脱小沢」路線への世論の高い支持だ。増税論議もその一環としてなら理解を得やすい。「菅人気」を頼りに選挙戦に臨む党内も表立っては反論しにくい。輿石東参院議員会長は17日、党本部で枝野幸男幹事長に「(首相の意向は)聞いている。やればいい」と容認姿勢を示した。
 
参院選に勝てば「財政再建」を旗印に政局の主導権を手にできる。連立を組む国民新党は消費税上げに反対しており、「第三極」勢力や自民党の一部を取り込む「連立組み替え」も視野に入ってくる。「政治とカネ」問題などとともに、衆院選マニフェストのバラマキ路線も小鳩体制の負の遺産として一気にリセットし、本格政権につなげる勝負の選挙と首相は位置づけた。
 
民主党内の小沢氏支持グループが9月の党代表選で「菅降ろし」に動けば、「衆院解散カード」で対抗することも可能。小泉純一郎元首相が自民党内の抵抗勢力との戦いをアピールして01年参院選で圧勝し、郵政民営化反対派を05年の衆院解散・総選挙で封じた先例が首相の念頭にあるのは間違いない。引き上げの実施を衆院選後と宣言する「解散とのリンケージ」(党幹部)は小沢グループへのけん制にもなっている。
 
ただ、無駄遣い削減による財源捻出(ねんしゅつ)は思うように進まず、官邸筋は「消費税率は16、17%ないと帳尻が合わない」と指摘する。民主党の従来の主張は消費税と年金制度改革とのセットだったが、仙谷氏は「別に制度設計した方が混乱は少ない」と切り離す考えを示した。消費税論議を急いだ末に参院選で支持を得られなければ、すべてのシナリオが崩れる。菅首相にとっては両刃の剣だ。

今朝の新聞ではこのような記事が出ていましたが、今日の夕方には早くもトーンダウンした模様です。

菅首相:消費増税論議の沈静化に努める 無駄削減も強調 - 毎日jp(毎日新聞)

菅直人首相は21日の記者会見で、持論の「強い財政」に向けて、自ら火をつけた消費増税論議の沈静化に努め、無駄削減の必要性を訴えた。7月の参院選を控え民主党内からは首相批判も出ており、首相は消費税の引き上げ時期について「少なくとも2、3年、あるいはもう少しかかる」と釈明した。しかし、首相が言及した「消費税率10%」が与野党の論戦を招き、次期参院選は消費増税の是非を問う展開になりつつある。(中略)
 
首相が無駄削減への積極姿勢をアピールするのは、次期参院選の争点が消費税引き上げ一色に染まることへの危機感がある。鳩山前政権から政権が代わり、内閣支持率は「V字回復」したものの、政権としての実績づくりはこれから。増税路線ばかりが目立てば、勢いが失速しかねない。
 
増税論議の高まりに、民主党内では懸念の声が強まった。21日の民主党常任幹事会で小沢一郎前幹事長に近い松木謙公国対副委員長が「説明不足ではないか。昨年の衆院選マニフェストでは消費税を上げないと約束していながら、増税と報道されている」と批判。高嶋良充参院幹事長も「あまりにも早すぎる」と苦言を呈した。

首相の言動の軽さは、鳩山から管に変わっても同じですね。