本当に米国消費者のトヨタ離れは進んでいるのか? 注目の品質調査に見るメーカーの浮沈と苦悩|ビッグスリー敗者復活戦の真実|ダイヤモンド・オンライン
すると、毎年IQSが発表されるたびに提起される問題が浮かび上がってくる。当初この調査では、業界で言う「故障(Things Gone Wrong)」に注目していた。ライトの球切れ、トランスミッションの不具合……「欠陥」と呼ばれることの方が多いだろう。
しかし今日、影響力の高いIQSでは、従来の「欠陥」カテゴリーに該当しない点までカウントしている。しかし、「カップホルダーのデザインが悪い」「シートの座り心地が悪い」といった不満は、本当にエンジンブローなどと同じ種類の問題なのだろうか。(中略)
だが、こうした疑問に対しては有効な反論もある。なるほど、エンジンブローはオーナーをひどく動揺させる可能性が高いだろうが、そうした深刻な問題は減少し、あまり一般的ではなくなっている。JDパワーが挙げているデザイン関連の「問題」をすべて排除し、従来の定義どおりの「欠陥」のみに注目するならば、凡庸な車でもレクサスLSよりも良い成績をあげることになるだろう。
これ自体はあまり上手くない言い訳のように思えるかもしれない。しかし今日の自動車利用者が現実的な欠陥に頭を悩ませずに済んでいるならば(特にオーナー体験の初期において)、これまで以上にデザイン関連の苛立ちや不快感に注意を向けている可能性は高い。また、切れた電球は交換できるが(いや、トランスミッションの不具合でも交換可能だ)、デザインの悪いカップホルダーや使いにくい情報娯楽システム(ナビゲーションやオーディオなどを統合した機器)はいつまでもつきまとう。
たぶん、「初期品質調査」を意味する「Initial Quality Survey」という標題が若干誤解を招いているのかもしれない。この名前からは依然として、現実の機械的な欠陥の指標という印象があるからだ。だが「品質」とは、芸術と同じように、見る者の目に宿るものである。今日の自動車購入者が、現実の機械的な欠陥と単なるデザインやエンジニアリングのまずさを区別している可能性は低い。だから、IQSは年を経て相当に変化してきてはいるが、それでも依然として、無視すべきではない指標なのである。
本来は初期不具合率を表すIQSで、デザインといった主観的な商品性まで網羅しようとするのが間違いなんですよ。
でも、
だが複数のライバルメーカーは「これでようやくフェアになった」と言う。これまではトヨタの品質に定評があっただけに、買う側も、他のブランドであれば文句を言ったような問題にも目をつぶってしまっていた可能性がある、と。
これはライバルメーカーのホンネでしょうね。 トヨタ車というだけでプラス評価のバイアスが掛かっていた部分がありますから。 ヒュンダイなんてとくにそう思っているでしょう。