これまで中国では次のような俗論が横行してきた。
「日本は日米貿易摩擦で1985年のプラザ合意で円相場の急騰を米国に強いられ、円高不況を回避するための過剰な金融緩和がバブルを起こし、その崩壊で経済成長が低迷した。従って中国は決して米国の中国元相場の急激な切り上げ要求に屈してはならない」
皮肉にも今の中国は、通貨の切り上げを拒否するための大規模な為替介入の累積と、固定的な相場維持に不可欠な資本移動規制の空洞化によって、国内の過剰流動性が不動産価格の上昇を助長するという形でバブルの罠にはまりつつある。これを中国政府が果たして金融引き締めやその他の手段で対処できるかどうか。
それに失敗すれば、次の大規模なバブルとその崩壊を私たちは中国で見ることになるだろう。
「最後の買い手」がなくなったら、日本としても「ザマーミロ」なんて言ってられないですね。 中国がピタリと着地を決めてくれることを祈りましょう。