ワンダーシビックの在る風景

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第174回:突然、ワンダーシビックな街角

そうしたなか、パリで見た途端思わずゾクゾクッと震えたモデルがある。3代目「ホンダ・シビック」、通称「ワンダーシビック」だ。その新車当時のテレビCMを思い出したのである。
CMは数バージョンあった。だが、いずれも「サッチモ」ことルイ・アームストロングが歌う「What a wonderful world」をBGMに、シビックが外国の風景の中に置かれているというものだった。このCM、今になってYouTube等で観なおしてみると、ときおり通り過ぎる動物や振り向くガイジンの通行人などが映るだけで、「おい、なにかオチをつけろ!」と叫びたくなる。
それでも放映当時は、従来の商品名連呼型CMと一線を画していたことから「秀作」と称され、ホンダのブランドイメージまで上げた。
 
何が言いたいかというと、パリの街中にたたずむワンダーシビックの風景は、まさにあのCMそのものなのだ。天然CMである。新車よりも、クルマ本体が経年変化で黄昏(たそがれ)てきた今のほうがサッチモの歌声や古い町並みと、よりマッチする。
これこそ、当時メーカーの人や担当の広告クリエイターたちが夢みたであろう、海外の風景に融和する日本車の姿ではないか。
しかしもっと大事なことは、これだけ永続性のあるデザインのクルマを日本メーカーが造っていたことを――たとえ安全装備などクルマに対する要求が緩かった時代の製品だとしても――それなりに評価すべきだろうということだ。

ワンダーシビックのデザインは、イマ風にアレンジすれば現代でも通じると思いますね。 BRIOのデザインよりもよっぽどいいです。

CM動画はこちら。