長期化する電力不足への対応は?

鉄道ダイヤ乱れ、大幅改善…国交省が東電を説得 (読売新聞) - Yahoo!ニュース

国土交通省によると、同省や鉄道事業者各社は14日、東京電力と協議し、計画停電からの鉄道の除外などを要求した。東京電力は当初、「鉄道の変電所だけに電力を供給することは無理」としていたが、国交省の技術担当者が、停電区域の変電所にピンポイントで送電することは技術的に可能と指摘。「手間と時間がかかる」などと難色を示していた東電を説得した。
 
送電量は限定されるものの、計画停電の影響を受けない変電所への送電が実現したことで、15日の運行ダイヤは大幅に改善。今後も、安定的なダイヤを組めるようになった。
 
同省は「間引き運転など、影響はまだ大きいが、ダイヤがころころ変わるような混乱は少なくなるとみられる。利用者は、運行情報をよく確認、検討してから外出して欲しい」としている。

自社で過半数の電力をまかなえるというJR東でも、踏切などの電源は電力会社から受電しているようですね。
今回の地震を機に、周波数変換能力の増強も含めたスマートグリッドが強力に推進されるでしょうね。

ところで福島の第一、第二原発は、定期点検中で無事なやつも含めて、おそらく稼働再開は出来ずに廃炉になってしまうのではないでしょうか。
そうすると、東日本での電力不足は数年単位(10年くらい?)長期化しそうです。

原発の安全性に大きな疑念がある中で、新規の原発建設はできないでしょう。 石油・石炭やLNGの火力発電所を建設するぐらいしかできませんが、それとて完成には時間もかかるし福島の原発の発電量を全て補うのは困難です。

もちろん節電もしなければなりません。 大口需要家には総量規制や稼働時間の調整などが必要です。

オール電化はエコじゃない!? 東京電力「企業優遇」の商魂(日刊サイゾー) - livedoor ニュース

CMで、「電気を大切に」などと、さかんに宣伝されているため、電気の無駄遣いを反省する人も多いだろう。それ自体は非常に有益なことだ。しかし一方で、消費の大半を占める事業者の省エネ対策は、さほど進んではいない。その大きな原因のひとつに、電気料金の設定が挙げられる。
 
「今、企業は、3年で元が取れる省エネ設備すら導入しません。なぜなら、企業向けの電気料金は、基本料金が高くて単価が一定。使えば使うほど割安になるのです。だから、設備を導入して省エネするメリットがないんです。みんな省エネ製品を導入すれば、それだけで(CO2排出量を)約4割減らせる。仮に3割減らせば、それだけで京都議定書をクリアできますよ」(同)
 
家庭では、使用した量が多ければ多いほど、単価が上がり、割高になる。このため、消費者は省エネ家電を導入するメリットがある。企業に対しても同じことをすればいいのだ。
 
「そうしないのは、電気を使ってもらいたいからでしょう。そうすれば、発電所をもっと建てられる。産業界での地位が、もっと高まりますから」(同)

その通り。 電力会社は電気をもっと使ってもらいたいのです。


当社の強み | 企業情報 | 東京電力

当社のサービス区域は、日本経済の中心である首都圏を有し、日本の人口の約1/3、販売電力量の約1/3を占めています。
 
当社のサービス区域は、日本全体の人口が減少に転じる中、今後も引き続き他地域からの人口流入、さらに業務機能の集積が見込まれ、民生用需要は他地域に比べ高い伸びとなる見込みです。また、産業用需要は、今後も堅調な伸びが見込まれる機械産業の増勢は弱いものの、人口流入を背景としたインフラ整備やデータセンターなどのIT需要の伸びが見込まれることから、全国並みの伸びを見込んでいます。
 
これらのことから、今後も、当社サービス区域の電力需要は他地域よりも高い伸びを維持できると考えています。

電力会社も営利企業なんで、成長を前提としています。 だから電力需要の伸びを誇りたいのはわかりますが、本来は電力需要を減らすことでCO2排出量を削減するべきなんですよね。
オール電化住宅」なんて、電気をより沢山売りたいという商魂がミエミエでしたが、今回の地震による電力需要逼迫で、東電自らのクビを締めることになりました。


個人的には今回の地震が、日本を低炭素社会に作り替える契機になるのではないかと思います。

原発を新規に作るくらいなら、太陽電池をたくさん作って屋根という屋根に配置した方がよっぽどいいですよね(雪の降らない地域はね)。 液晶の大画面テレビが5年で1/3の価格になったように、膨大な市場の創出で大量生産が可能となり、価格も劇的に下がるでしょう。 
原発で余った深夜電力でお湯を沸かすなんて、無駄な「オール電化住宅」なんてやめた方がいいです。

あとは、関東への一極集中を見直す動きも出るかもしれませんね。 企業によっては60Hz地域に拠点を移したりするかもしれません。


日製鋼、東芝がストップ安気配、原発見直し動きと格下げを嫌気 2011/03/15(火) 17:53:57 [サーチナ]

原子炉容器大手の日本製鋼 <5631> は100円安の543円ストップ安売り気配で629万株の売り物、原発大手の東芝 <6502> が80円安の431円ストップ安売り気配で4842万株の売り物とともに前日のストップ安に続き、ストップ安気配で前場を終えた。両社株や日立製作所 <6501> だけでなく原子力発電関連株は連日で全般大幅下落の先導役となっている。東京電力 <9501> 福島原子力発電所の事故が深刻化するなか、原発関連株を売る動きが止まらない。
 
14日の米国市場では、原子炉大手の米ゼネラル・エレクトリック(GE)が急落しており、海外でも原発建設への見直しの動きが強まっている。同日は、米上下院がエネルギー戦略について原発のウェートを見直す方向にあるとのテレビ報道があったという。また、ドイツでは現在のメルケル首相になって原発使用年限を延長する方向にチェンジする方向にあった。しかし、福島の原発事故を受けて調査結果が出るまで一時保留するとのブルームバーグ報道があった。

原子力に社運をかけた、東芝の株価は下がりそうですけどね。