北海道ツーリング(5日目)

2011年 8月16日(火)

ロングツーリングに出ると、テレビも新聞も見ていないので、曜日や日付がわからなくなってくる。

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今朝も6時頃に起床。 雨は結局降らなかったようだ。 友人Hはもう朝食の準備をしていた。

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昨日は買い出しには行かなかったので、Hにうどん玉を恵んでもらう。 えのきと刻んだ長ネギを少々入れて、卵を落として月見にする。 味付けは味ぽんのみ。 これでじゅうぶん美味しい。
撤収し、08:36 に出発。

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今日は三笠市まで行くわけだが、R230で行くと札幌市街を通過することになる。 少し遠回りとなるがアベレージが高そうな室蘭~苫小牧経由で岩見沢まで上がることに。 先導はHに任せる。

昨日通った農産物販売所。 昨日はかわいいお姉ちゃん二人が店の前に立っていたのだが、残念ながら居なかった。
09:02 伊達市のGSで自分だけ給油。

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09:32 室蘭からR36に入る。 巨大な高炉がそびえ立っていて圧倒される。 まさに鉄の街の象徴だろう。 写真は白鳥大橋。
登別温泉に心惹かれつつ素通りする。

10:29 苫小牧の手前のコンビニでトイレ休憩。 ここまでTシャツ一枚で走ってきたが、寒いのでブルゾンを着こむ。 HはGジャンを着ていても寒いらしい。

11:02 苫小牧でR234に入ったのだが、なぜかまたR36に出てしまった。 後から地図を見返すと、右折するべきところを左折したようだ。 仕方ないのでR36を進む。

11:12 千歳近くで雨が強くなってきたので、二人共合羽を着こむ。 その後、道道129号経由でR234に入ることができた。 室蘭本線に沿って北上する。

12:12 岩見沢の手前の栗山町で、道道30号線(三笠栗山線)に出くわす。 これを走って行けば三笠まで行けるらしい。

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12:53 三笠鉄道記念館に到着。 洞爺湖からの走行距離は204km、所要時間は 4時間17分だった。

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今は無き佐久間レールパークみたいな感じかなと予想していたのだが、新しくて立派な建物だ。

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入館料は大人500円。 それにしても、なんでこんなところ(失礼)に鉄道記念館があるんだろう?

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有料ゾーンに入ってすぐのモニュメント。 蒸気機関車がモチーフらしい。

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鉄道関係者からの寄贈品を展示してあるスペース。

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いろんなものが展示してあって興味深い。

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三笠市に鉄道記念館がある理由。 それは小樽市手宮から札幌を通り、幌内に至る幌内鉄道が、北海道で初めて開業した鉄道路線だったからだ。
幌内には良質の炭鉱があり、それを運び出すために敷設されたようだ。
そして三笠鉄道記念館が建つ場所こそが、かつての幌内駅なのだとか。

明治から現代までの北海道における鉄道事業の歴史が年代別に説明してあって、非常に勉強になる。 北海道の鉄道の発展と衰退は、まさに炭鉱と一体だったことがよくわかる。

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壁には廃線となった駅の看板が、墓標のように並んでいて郷愁を誘う。

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とはいえ展示自体はセンチメンタルに流れることもなく、とてもよく整理してある。 車両の模型、解説も多い。

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スイッチを入れると動く、直列8気筒ディーゼルエンジンのカットモデル。

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信号機や遮断機なども展示してあった。

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2階には巨大なジオラマもあって、操作できるようだった。

映像コーナーで「想い出の幌内線」というビデオを観る。 BGMが海援隊の「思えば遠くに来たもんだ」だったのだが、まるでPVのようだった。

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とにかくいろんな展示物があって、鉄道ファンなら楽しめるだろう。

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でも遺構好きのHとしては、どちらかというと手宮の方が好みだったらしい。 下のポスターは、函館のWAKOにオープンした北海道鉄道博物館

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屋外の展示車両も見てみる。

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お国柄というか、除雪車が多かった。 これはディーゼル機関車(単線用ラッセル式雪カキ装置付) DD15

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広巾雪カキ車(ジョルダン) キ700 左右についた羽根を広げることで、広範囲に雪を押し分けるようだ。

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ディーゼル機関車(ロータリー式雪カキ装置付) DD14

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最も異彩を放っていたのが、このラッセル式雪カキ車(単線用) キ100 なんとも言えない表情だ。

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建物内に保管されている車両もある。

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9600型蒸気機関車 59609。 その奥には C12型蒸気機関車 C122もあった。

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ED76型電気機関車 ED76505

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こちらは中に入ることができる。

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メカメカしくて、男の職場って感じの運転席。

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運転席からの風景。

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貨車もあった。 これで石炭を運んでいたらしい。


14時も過ぎたし、また雨もポツポツ降ってきた。 そろそろ帰ろうか。 クロフォード公園(旧三笠駅)の方には行かなかった。

問題はどのようなルートで函館まで行くかだ。 ゆで卵を食いながらHが、R12で札幌まで出て、市街地を避けてR230に入るのがいいんじゃないかと言う。 地の利がないので、こちらも異存はない。

14:28 函館へ向けて出発。 道道917号を西に進んで、岩見沢でR12へと入る。 14:41 交差点にあったGSで二人とも給油する。

R12を札幌方面へ進むに連れて、雨が強くなってくる。 まだ長い道のりがあることの気負いか、市街地へ入るとHのスイッチが入ってしまった。 彼は都内に住んでいるので、右に左に車線変更をしてクルマを追いぬいていく。

自分の場合は、道もよく知らないところで息巻いてもリスキーなだけだと思っている。 動いている車列にはそのまま付いていき、信号待ちで路肩をすり抜けて前に出る。


15:32 新札幌駅を過ぎた辺りでR12を左折して、道道3号、さらにR274へと右折する。 この辺りは完全にH任せだ。
だがしばらく走るとHが停車した。 どうやら間違えて札幌自動車道の側道(R274)に入ってしまったようだ。 そのまま進めば出られそうだというので、先に進む。

道道3号(Hに付いて走るだけだったので、R12かと思っていた)を札幌中心方面に進み、適当なところで左折。 さらにしばらく進んでまた右折する。 もはやどこを走っているのか、どこを目指しているのかもよくわからない。

Hも既に方向感覚だけを頼りに走っている(彼はタンクバッグに地図を挟むのだが、雨でカバーを付けているので見えない)ようだが、それでもペースは落とさないのでどんどん進んでいってしまう。


15:58 埒があかないので、Hの前に出てスーパーの駐車場に入る。 GPSでいまどこに居るのか確認し、地図を見ながらお互いの認識を整合する。

自分は距離感がわからないのと、分かりやすい道順で帰りたいので、「R5で函館まで行ってもいいんじゃないか」と提案したが、Hは「小樽経由だと遠回りになる。R230の方がいい」と譲らない。

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帰宅後にGoogleマップで調べると、R230+R5で行くルート(254km)の方が、R5で行く(290km)よりは近いようだ。 ただ、所要時間ではあまり違いはない。

10分ほど協議した結果、先ほど直進してきた交差点が、Hが目指していた道道453号だったと判明。 そこまで戻って、R230に入ることができた。 途中で見た札幌の市電は、ちょっと縦にひょろ長くてユーモラスだった。

R230に入ってから、Hに「函館まで個々に自由に走ろう」と提案する。 長距離の知らない道を、相手がどこを走っているか把握しながら走るのは、それだけで神経を使う。 目的地は決まっているのだから、問題はなかろうという判断だ。 Hのバイクは無給油で函館まで行けるので、押し掛けの問題もない。

R230は定山溪や中山峠(17:15 通過)など景色のよいところを通るのだが、霧と雨で薄暮状態になっていて何も見えなかった。 ただ只管に前に進むことだけを考えていた。


実はR230がどこに出るのかよく理解していなかった。 3桁国道の名前なんて覚えてないし。 走りながら「いつになったら『長万部 ○○km』の表示が出るんだろう?」と考えていたくらいだ。
だから『洞爺湖 △△km』の表示が出たときはビックリした。 そして今朝、キャンプ場からR37に出るのに通った道こそがR230だと理解したのだった。

まさか「振り出しに戻る」とは思わなかったので、とても落胆したのだが好都合なこともあった。
昨日温泉に入ったポロモイの写真を撮り忘れていたのだった。 実は4日目のレポートにあるポロモイの写真は、この時に立ち寄って撮ったものだ(18:06)。

ちなみに三笠市からグリーンステイ洞爺湖入り口までの走行距離は158km、所要時間 3時間28分だった。

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R37に入ってからは、来た道を戻るだけだ。 流れも悪くない。 18:56 長万部通過。
19:00 セルフが見えたので、そろそろ給油しようと思った矢先、スロットルの手応えがなくなった。 そのままスタンドに入り、給油機前に停車した瞬間にエンストした。 ガス欠だった。

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もちろん携行缶には1L入っているからギリギリまで走ったのだが、ガス欠するまで走ったのは初めてだった。
Wave110i の燃料タンク容量は3.7Lなのだが、満タンにしたら 3.85Lも入った。

その後もR5を飛ばして、函館のホテルに着いたのは 20:52 だった。 三笠市から函館までは 313kmだった。


チェックインしてシャワーでも浴びたいところだったが、時間も遅いのですぐに飲食に出かける。
Hが前回来た時に行ったという、「函館山」という居酒屋だ。

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ヒラメ(手前)とサンマの刺身。 脂がのってるね。

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真イカの活き造り。 ちょっと硬いけど、時期的にしょうがない。 でもすごく新鮮。 ワタも濃厚で美味しい。
ゲソは唐揚げにしてもらったが、これまた美味。

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じゃがバター。 焼いてあるのは初めてだ。 でも美味しい。 調子にのってフライドポテトまで注文。

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ホッケなどなど、どれも美味しかった。

気がつけば0時近くになり、店内には自分達だけ。
締めに焼きおにぎりを頼んだのだが、お腹いっぱいで1つしか食べられなかったので、もう一つはホイルで包んで持ち帰らせてもらった。


部屋でシャワーを浴びて、そのままベッドにひっくり返った。 エアコンがない(暖房らしきものはある)ので窓を少し開けて寝た。
200円安い「窓なし部屋」に泊まったHは大丈夫だったのだろうか?


本日の走行距離 517km
Google Earth用KMZファイル(洞爺湖~三笠~函館) → 20110816.kmz

6日目に続く。