オリンパス、買収アドバイザーが対象会社の特許権保有? 利益相反の懸念

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オリンパス、買収対象会社の特許権めぐり利益相反の懸念も | Reuters

去の買収資金などの不透明性が指摘されている光学機器メーカー、オリンパス(7733.T: 株価, ニュース, レポート)が2008年に日本の調理器具メーカーを買収した際、オリンパス側のアドバイザーとして買収に深く関与していた人物が買収先の特許を保有していた可能性があることが、ロイターの取材でわかった。(中略)
 
ロイターが入手した資料によると、この3社の買収を仲介したのは、「ヨコオ・アキノブ(横尾昭信)氏」と「ヨコオ・ノブマサ(横尾宣政)氏」の兄弟で、弟の宣政氏はオリンパス傘下のベンチャーキャピタルを管理し、3社総額で約734億円にのぼる買収を実施したとされている。 
 
米特許商標庁の記録では、2005年に横尾宣政という名の人物が、他の3人とともに電子レンジ用炊飯機器の特許を発明者から取得し、2年後にその特許を東京にあるNews Inc.社に移管している。この会社は、オリンパスが買収したNEWS CHEF社と同じ都内の住所にあった。どちらの会社も現在はその住所にある8階建のビルには入居していない。 
 
オリンパスは、ロイターの取材に対し、同社のベンチャーキャピタルを指揮していた横尾宣政氏がこの特許保有者と同人物であるかどうか確認を拒否している。帝国データバンクによると、NEWS CHEF社は11年3月期に約6億円の売り上げに対して約22億円の損失を出している。

なんでオリンパスがベンチャーキャピタルなんかやってたんだろう?

これは2001年のニュースリリースです。

オリンパス ニュースリリース:異業種、ベンチャー企業との共同事業をネットで開拓 テクノマイニング社の事業化支援サイトでビジネスモデルを募集

オリンパス光学工業株式会社(社長:菊川 剛 以下、オリンパス)は、社内の資産をより一層活用した新たなる事業を素早く立ち上げる事を目的として、経営資産情報の公開をインターネット上で行い、共同事業の可能なビジネスモデルを広く募集します。

情報の公開は、大手企業・ベンチャー企業・起業家との技術融合・共同事業の促進を支援するテクノマイニング株式会社(社長:横尾 宣政 以下、テクノマイニング社)が運営する事業化支援サイトを活用し、当社の保有技術や設備などの経営資源を2001年12月11日から随時公開していきます。

この横尾宣政さんの経歴も載ってますね。

京都大学経済学部卒業後、野村証券入社。長く事業法人部門でコーポレートファイナンス業務に従事。野村證券の提携先であるWasserstein Perella & Co.(NY)への出向を経て、野村證券高崎支店長、新宿ビル支店長を歴任。1998年6月退社。同月、株式会社グローバル・カンパニーを創業(代表取締役社長)。広範な人脈を活かした情報収集と豊富な投資事業コンサルタント知識およびノウハウを活用して、ビジネスプランの構築から企業の設立、発掘、投資・育成、本業支援等を行う。
1954年生まれ

偏見で申し訳ないけど、野村証券のOBって疑惑に連座する人が多いような気がします(横尾宣政さんがそうだという訳ではないですよ)。

元のロイターの記事に戻ります。

一方、兄の昭信氏は05年から09年までオリンパス幹部の職にあり、その期間は同社のベンチャーキャピタルがNEWS CHEFに投資をしていた時期と重なっている。同氏は都内にある3階建ての自宅を訪れたロイター記者に対し、利益相反の可能性を強く否定。「弟と一緒に仕事をしたのは、たった1回。昔のオリンパスの工場用地で農業関連のプロジェクトをした時だけだ」と語った。 
 
オリンパスの09年の監査報告は、同社経営陣による違法行為や重大な過失を否定するとともに、昭信氏による利益相反の可能性も検証した。その結論として、同氏がその資金に関連して個人的利益を得ようとしたことを示唆する状況は見られなかった、としている。

すごい偶然ですね。