BMWもダウンサイジング、日本向け新「3シリーズ」に直6設定せず

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

BMWJ、全面改良した「3シリーズ」を発売、燃費24%向上でトルク30%増 - クルマ - Tech-On!

2005年以来の全面改良で、今回で6代目になる。日本で発売するモデルは、排気量2.0Lで直列4気筒のターボエンジン「N20」を載せる「328i」。2012年第2四半期に、同排気量で出力を抑えた「320i」を発売する計画である。
 
N20は、2011年11月に一部改良した「528i」に載せたものとほぼ同じで、ツインスクロール式のターボチャージャを使う。最高出力は3.0Lのエンジンを載せた従来の328iと比べて13%増の180kW/5000rpm、最大トルクは同30%増の350N・m/1250~4800rpm。可変バルブリフト機構「バルブトロニック」と吸排気の可変バルブタイミング機構「ダブルVANOS」を採用した。圧縮比は528iで11.0のところ、今回の328iでは10.0と低くした。ドイツZF社製の8速自動変速機と組み合わせる。
 
燃費については、アイドリングストップ機構や減速時に発電するバッテリ充放電制御を採用したことで、従来の328iと比べて約24%高い15.6km/L(10・15モード、JC08モードで15.2km/L)を達成した。この結果、エコカー減税の対象モデルとなっている。

時代の流れとはいえ、寂しい気もしますね。

3シリーズで希薄燃焼をやめたBMW社 - クルマ - Tech-On!

これまで、1シリーズや3シリーズでは自然吸気の希薄燃焼エンジンが主でした。“リーンバーン”とも呼ばれるこのエンジンは、燃焼室内の混合気と空気の割合を理論空燃比とする通常エンジンと異なり、薄い混合気を燃やすことで燃費を稼ごうというものです。日本では2010年秋から導入し、排気量2.0Lの3シリーズセダンの例では10・15モード燃費を27%向上させました。
 
ところが、新型の1シリーズや3シリーズは、いずれも希薄燃焼エンジンから撤退。1シリーズは排気量1.6Lの、そして3シリーズは2.0Lのターボチャージャ過給付きの理論空燃比のエンジンになったのです。BMW社といえば、直列6気筒のエンジンが滑らかな回転によってトレードマークともなっていましたが、この6気筒に設定されていた希薄燃焼エンジンも4気筒ターボエンジンへと置き換えが進んでいます。希薄燃焼の適用から数年足らずで、方針を変えようというのです。
 
2005年当時に、BMW社のパワートレーン戦略を取材したときには、自然吸気エンジンの直噴希薄燃焼化と、理論空燃比での直噴ターボの採用を進め、究極的には希薄燃焼の直噴ターボを目指すという方針を聞きました。希薄燃焼を中断した理由は正確には分かりませんが、排ガスのNOx(窒素酸化物)が増えるため専用に搭載したNOx吸蔵還元触媒では厳しくなる排ガス規制への対応が難しいからのようです。世界的には、様々な地域で異なる排ガス規制に適合させることが必要になりますが、理論空燃比のエンジンに統一したほうがそうした対応がしやすいとの説明がありました。
 
希薄燃焼エンジンは、かつて三菱自動車などが直噴により実用化し、燃費の面ではメリットがありましたが、燃焼室におけるすすの付着や排ガス対策の難しさから徐々に少なくなりました。BMW社やDaimler社ではピエゾ式のインジェクタや、スプレーガイデッド方式という新しい成層化技術により、再びこの方式に挑みましたが、BMW社は理論空燃比を使ったターボによるダウンサイジングへと舵を切りました。
 
現在、「SKYACTIV」技術における自然吸気、高圧縮化を進めるマツダも究極は、断熱した希薄燃焼エンジンを目指しています。マツダによれば、空気過剰率を大幅に高めればNOxは減るため、排ガスの後処理が不要にできるといいます。ただ、そうした空気過剰の混合気は点火プラグでは燃やせないため、HCCI(均質予混合燃焼)のような新たな燃焼形態が必要と考えています。エンジンの世界では、常に燃費と排ガスの両立が課題となり、これは今後も続くでしょう。登場しては消える希薄燃焼エンジン、次回の登場にはマツダの力が試されそうです。

「SKYACTIV」も「わざとノッキングさせて走らせている」ようなものですが、まだ点火プラグがあります。 HCCIは自然発火でプラグがないですからね。 原発(「穏やかに爆発(臨界)する原爆」)みたいなものです。

それより、今の技術でCVCCを復活させたらどんなエンジンになるのか、そっちの方が興味あります。