家庭用太陽光発電の工事費を含む設置コストは、2010年の実績で1kWあたり60万円以上だった。これを金利3%、20年償却の前提で発電コストに換算すると40円kWh/以上になる。家庭用電力料金の24円と比較すると現状は非常に高くつく。
発電コストが高くなる一因は、これまで太陽光発電のビジネス形態がパネルメーカー主導の閉鎖的なシステムで、販売方法などが非効率であったことだ。コスト問題を乗り越えるには、需要側の利益を最大化する新しいビジネスモデルを構築する必要がある。
この点で期待できるのが、メーカーから独立したシステムインテグレーター(SI)主導によるビジネスモデルである。これまでの商習慣にとらわれることなく、太陽光パネルも海外メーカー品を扱うなど世界から最適な機材を調達する。ユーザーへの販売方法も大幅に簡略化している。グローバルな調達戦略でこれまでの常識を打ち破る低コスト化の道筋が見えてきた。
最近、フジワラ(千葉県船橋市)とエイタイジャパン(千葉県鎌ケ谷市)の共同による千葉県の販売事業者グループが29万円/kW(4kWタイプ)という家庭用太陽光システムを発売した。これは私が知る限りの最安値だ。発電コストに換算すると実に19円/kWhという驚異的な安さになる。(中略)
この低価格は外国製パネルの活用に負うところが大きいのだが、工事の標準化による生産性向上の効果も見逃せない。広い土地に太陽光パネルを敷きつめるだけのメガソーラーと違い、住宅向けは屋根の形状や強度、日照条件などに合わせた工事が必要になる。これをできる限り標準化し、工事業者の教育などを通して30~50%程度の工事コスト削減に成功している。
隣の家も昨年に太陽光発電パネル(シャープ製)を設置しましたが、足場を組んで1週間くらい掛かりましたね。
ではどれくらいで元が取れるもんなんでしょうかね?
ところで、29万円/kWのパネルを設置したときの経済性はどのようなものか。
日本の戸建て住宅用の平均である3.3kWを設置する総費用は96万円になる。このサイズの年間発電量は約3500kWhだ。このうち40%を自家消費して、この分で電力会社の電気料金24円を節約したと考え、残り60%を余剰分として42円で電力会社に売電すると合計で年間12万円の“収入”となる。つまり、8年で投資の元がとれる計算だ。固定買い取り期間が仮に10年なら、その間に20万円以上の“儲け”が出る。(中略)
千葉のケースは突出した事例だが、ほかにも設置コストで40万円/kW(発電コスト27円/kWh)を下回るような案件が続々と出始めており、太陽光発電の経済的自立は目前といえる。
29万円/kWとは言わないけど、40万円/kWくらいになったら考えよう。
このペースだと、1年で5万円/kWずつ下がる感じですね。 平均価格が40万円/kWになるまでには、あと2年くらい掛かりそうです。