今の若者は「いきなりクラウン」?

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「いきなりクラウン」ではダメ?:日経ビジネスオンライン

「グランドセイコーの購入者のうち、20%弱は20代の方々です」
 
2つの意味で「えっ?」と思った。まず、グランドセイコーを買うお金がどこから出てくるのかな?ということ。カタログを見ると価格は最も安いもので18万9000円。多くのモデルは30万~50万円ぐらいである。有名企業の若手社員でも、手取りの月給の2倍以上はするはずだ。時計が生活と娯楽のすべてだというなら話は別だが、少なくとも私は20代のとき、時計にウン十万円を払う気も、余裕もなかった。(中略)
 
しかし、冷静に考えるとグランドセイコーを買う人は極めて合理的な判断をしている。仮に30万円の時計を買ったとして、10年使えば年3万円、月に2500円である。私が工房を見学した限りにおいては、月2500円では申し訳ないと思うくらい、職人が1つずつ丹念に作り上げていた。毎年のように新製品が発売される商品ではあるが、これだけの高級感があれば、10年たっても、色あせて見えるようなことはないだろう。(中略)
 
今の物語は今にある。デフレである。将来、給料が増えるかどうかは分からないのだから、今の価値に敏感になるのは当たり前のことだ。将来、良いものを買いたいではなく、今、良いものを買う。どう表現できるか分からないが、それが今の物語である。デフレ期に「いつかはクラウン」に近い過去の物語を引っ張りだすとすれば、それは若い世代を押しつぶすだけ。そして、今の若者が紡ぐ「いきなりクラウン」も、10年後には通じないものだ。

そういえば先日のテレビで、新生活を始める若者に高級家具のレンタルが流行りだと言っていました。
30万以上するようなベットをレンタルした若い女性はインタビューに、「月々9,800円だし、気に入れば買取りも出来る。定価以上のお金を払うこともないので無駄がない」と答えていました。
19,800円のパイプベッドで始めた自分たちの世代とは、「物語」がかなり違いますね。