ジョブズ氏がアップルに残した特許戦争:日経ビジネスオンライン
次に「自明性」についてコー判事は、アップルが強調する「地を揺るがすような」イノベーションというのは少し誇張が過ぎるというサムスンの主張に共感を示した。
コー判事は、アップルが関連特許を取得するはるか前、2005年6月6日に日本のシャープが獲得した日本の特許を分析した。外国特許は米国特許を無効にする「先行技術」として引用可能だ。
同判事は、シャープの特許が主張する「丸い角と、同じような形のスピーカー、スクリーンと縁の割合」は、アップルのD’087特許と同じで、「シンプルかつミニマリズム的なデザイン」を実現している、と指摘した。そして、「普通の観察者が見たら、アップルが所有するD’087特許はシャープの特許と実質的に同じと思うだろう」と述べた。
確固たる結論を出さないまま、コー判事は「サムスンは、アップルのD’087特許の妥当性に関して実質的な疑問を提起した」と裁定した。この喧嘩を仕掛けることで、アップルは重要な知的財産権を危険にさらしてしまった。同社はその好戦性のために、将来の訴訟やライセンス交渉における影響力を失ったかもしれない。
iPadのデザインを巡ってはもっと残念な結果となった。コー判事はお得意のイラストを多用して、新聞社の米ナイトリッダーが1994年に開発したタブレット端末「フィドラー」が、アップルのiPadのD’889特許と「同様の基本的な視覚的印象」を生むかを説明した。同判事は、「従って当法廷は、D’889特許の妥当性についてサムスンが実質的な疑問を提起したと考える」と書いている。
つまりiPadのデザインは、恐らく簡単に手に入れられるものなのだ!
核抑止力というのは「使うぞ」というブラフだから効くのであって、実際に使ってしまったら報復攻撃の連鎖になってしまいます。
アップルは特許戦争を仕掛けることで、自らの核ミサイルの効力を減じてしまったようですね。