ホンダ、最高級セダン「レジェンド」の生産中止 :日本経済新聞
セダンを生産している埼玉製作所狭山工場(埼玉県狭山市)で、このほどレジェンドの生産を打ち切った。インスパイアは今月、計画の50台を生産し次第、終了する。系列販売店にはすでに両車種の新規受注を中止することを伝えた。
レジェンドは1985年に発売。91年には約1万9000台を販売し、日産自動車の「シーマ」などと高級車市場で人気を競い合った。初代からの累計販売台数は10万台強に達したが、輸入車の攻勢もあり、11年の販売台数はレジェンドが360台、インスパイアが989台にとどまった。
ホンダは国内で13年に主力車「アコード」の全面改良を予定しており、アコードにインスパイアを統合するなどして、高級セダンを1車種に絞り込む見通しだ。
ただ、海外では需要が大きい地域を中心に高級セダンをてこ入れする。北米では日本で生産したレジェンドを「アキュラRL」として販売しているが、13年初めに全面改良するのを機に現地生産に移す見通し。インスパイアは北米では「アコード」として販売しており、今秋に全面改良する。
インスパイアは、元々三菱自のディアマンテが開拓した2.5L上級セダン市場に対応するために、縦型5気筒エンジンを排気量アップして作ったモデルでした。
その後、5気筒エンジン廃止で北米アコードを持ってきたのですが、元々現地では「高級車」として売っているモデルではないので、いくら装備や加飾で豪華に見せようとしてもムリがありました。
でもタイとかマレーシアで見ると、それなりに格好いいんですけどね。
そのうちV6エンジンの国内生産は、なくなってしまうかもしれないですね。 ダウンサイジングの潮流を考えれば当然の成り行きかもしれません。
何度も検討されたというFR用V8エンジンを出さなかったというのは、今から考えれば賢明だったと言えそうです。 V6ハイブリッドで十分ですから。
【新聞ウォッチ】あの“誤報”から2年、レジェンドなど高級車の生産打ち切り | レスポンス (スポーツ/エンタメ、出版物のニュース)
レジエンドの生産中止報道をめぐっては、2年前の2010年7月の「社長会見」を思い出す。就任2年目の伊東孝紳社長が、一部のマスコミ報道に対して「誤報があり、正しい報道をお願いしたい」と苦言を呈したのである。会見の数日前に日経が「レジエンド廃止へ」などと報じたためで、会見では「止めるわけがない」と語気を強めた。
たしかに、伊東社長の発言どおりにレジェンドの生産は継続されたが、それもわずか2年の経過措置に過ぎなかった。仮に生産中止が先送りされていたとすれば、部品調達や生産の現場ではマイナス面が大きかったことに違いない。
厳しい環境の中で、急激な変化に素早く対応する経営判断はきわめて重要なことである。朝令暮改は本田宗一郎氏からのホンダの“社風”でもあったが、その当時とは会社の規模も社会的な使命や影響も格段に違う。企業のトップの発言がぶれるようでは、求心力を失ってしまう。それではマニフェストの公約を無視する民主党と同じである。
いや、単にFMCを機に需要地である北米に移管するだけの話で、「2年の延命」とかいう話じゃないでしょ? モデル途中で移管というのも効率悪いし。
北米生産であっても日本に需要があれば輸入してでも継続したと思いますが、軽とスモールカーとミニバンしか売れない状況では、限られた資源を有効に活用するのは仕方ないのでは?
Dセグメントのアコードがあれば、それで十分だろうと思いますよ。
ホンダ、苦肉の車種絞込み --- 岡本 裕明 - アゴラ編集部 (アゴラ) - Yahoo!ニュース
このような中で本家本元の日本で軽自動車、小型車に特化するという流れは私からすれば奇異に感じます。
レジェンドが80年代に発売開始し、91年に一年で19000台販売した実績があるにもかかわらず、20年後に360台しか売れないというのは手っ取り早く売れる商品に力を入れ、市場開発に力を入れなかったといわれてもやむを得ません。トヨタはレクサスブランドを苦労しながらも北米では市場を確立しつつありますし、日本の高級車市場でもその存在感をどんどん高めています。日産もシーマを復活させているのです。
そういう中でホンダの遺伝子を経営効率性を追求するあまりせっかく持っていた遺伝子を落としてしまうのはもったいないと思います。日本で高級車の市場が育たないというのは間違いで単にベンツやBMWをはじめとする海外勢の牙城を崩せないだけなのです。
東京の都心にいればベンツはやたらと目に付きます。80年代は会社の社長車かヤクザの車というイメージでしたが、今やあちらこちらで目にするのは20年間で市場開拓をしたからです。高級車の市場というのは必ず存在するわけで今でも「俺、いつかはベンツに乗ってやる」と思う輩は結構いるのです。
ホンダは夢を与えてくれる会社でした。そういう意味で今回の国内高級車市場からの撤退は至極残念に思います。
レクサスが日本の市場で「存在感をどんどん高めている」かどうかはさておき、本当に白物だけで良いのかは議論の余地がありますね。
自動車雑誌を見てみれば、ホンダのクルマが取り上げられる機会が物凄く減っていることに気づきます。
高級車がどうこうというよりも、自動車本来のダイナミクスをもっと重視しないと、「存在を期待されない企業」になってしまいますよ。