えっ、「日本は中国と戦争したがっている」って?:日経ビジネスオンライン
この日、北京、上海、広州など全国約100都市で大規模な反日デモが繰り広げられたが、中国人にとって(日本人にとっても)、日常生活には何の影響もないと思われる尖閣諸島が、なぜ、これほどまでにナショナリズムに火をつけるのか、不思議に思う人は少なくないのではないだろうか。(中略)
それは、平和でのんびりとした日本に暮らす日本人の多くが抱いている、「なぜ一部の中国人はあんなにも烈火のごとく怒っているのか?」という、まるで他人事のような素朴な疑問への答えの糸口となるものであろうし、日本人と中国人の温度差を少しでも埋め、相互理解につながるきっかけになるものだと思うからだ。
いまウチの会社にも中国からの出張者(研修生)がたくさん来ていますが、彼らも日本国内と中国の温度差には戸惑っていることでしょう。
中国人も個人的に付き合ってみればいい人が多いですよ。
だが、彼らはそこまでの罵詈雑言を書いておきながら、真に日本人が憎いのかといえば、「そうではないだろう」と張はいう。
というのも、彼らの多くは日本人と会話したこともなければ、日本人と一緒に仕事をしたこともない、もっといえば、生身の日本人を(繁華街で見かけたことくらいはあっても)真近で接したこともない人々だからだ(事実、日本に留学にやってきた中国人の多くが驚きの表情で口にするのは、日本人の優しさや穏やかさである)。
日本人だって、太平洋戦争の最中は「鬼畜米兵」と言って竹槍振り回していたけど、終戦になってアメリカ兵がチョコレート配りだしたらころっと変わりましたからね。
「デモに参加している人の多くは、自分たちが焼き討ちにした日本企業が中国法人で、破壊したあと、同じ中国人の従業員が困るだろうということもあまり理解できていないんだと思います。いや、ひょっとすると、日系企業に定職を得ている中国人のことがうらやましいから、わかっていて、あえて破壊しているとも考えられる。日本車を叩き壊したというけれど、自動車を持っていること自体が憎いのです。だからあの破壊行為は、映像でしか見たことがない日本に対する怒りというより、富を持つすべての人への怒りともいえますね。急速に経済発展した中国社会が生んだひずみでしょう」(中略)
「多くの中国人は強い被害者意識を持っていると思います。それはかつて日中戦争で日本にひどく痛めつけられたという被害者意識であり、そうした意識は戦後70年近く経っても、まだ中国人の心の奥底から抜けていません。そう思い続けるのは教育のせいもあるかもしれない」
「でも、たとえそうであったとしても、そうした敏感な中国人の心に日本人は少しも気づこうともしない。中国人の中には、日本人ともう1回戦争してみたい。そして、今度こそ勝ちたいという潜在意識を持っている人がいるのも事実です」
これは朝鮮人も同じで、抗日戦争に勝利したと言ってはいますが、実際には日本が負けたのは(連合軍ではなく)米国にであって、自力で日本軍を追い出した訳ではありません。
ことあるごとに日本に対して両国が自尊心が疼くのは、本当の意味で自分たちが勝ったという気持ちを持てないからでしょうね。
日本人にとっては耳を疑うような、信じられないような話だが、こうした話は以前も断片的に複数の中国人から聞いたことがある。張もある屋台の店主が「今日釣魚島を盗られたということは、明日は海南島を盗られるかもしれないということだ。そして、あさっては私が住むこの家も日本に盗られるかもしれないんだぞ。うかうかしてはおれん」と口から泡を飛ばして話していたのを見たと話していた。(中略)
私は日中を行き来する張に「一般の中国人が、日本について最も誤解していると思うことは何だと思うか?」と問いかけてみた。すると、「日本の『異常さ』を理解していないこと……ですかね」という奇妙な答えが返ってきた。
その真意はこうだ。普通の国家ならば、常に国益を主張し、経済発展すれば世界での発言力も増し、自らの国に対して自信を深めていくものだが、日本人はここまで経済発展し、優秀な民族であるにも関わらず、日本人であるということに、なかなか自信を持てないでいる。そして、とことん平和を愛している国でもある」という。
まさしく、その通りだと思った。だが、ここまで鋭く日本を見る張のようなエリートが大勢いるわけではなく、日本をよく知らない中国人は「中国は日本から再び侵略されるのではないか」とうたぐり、「もし日本人がもう一度戦争をするというならば受けて立つ」とさえ真剣に思っている。
人間はよく知らない相手のことは、自分と同じように考えるはずだと決め付けるところがありますからね。 日本の侵略を心配するのは、中国人自身が領土拡張や資源確保のために「他人の物は自分のもの」と内心で思っているからでしょう。
「中国国民はデモという手段ではあったけれど、自分の心にある怒りや不満、どうにも押さえられない気持ちをあそこで表現したんです。そうした下層の若者たちの苦悩の気持ちの一端は、ぜひ日本人にわかってほしい」
「そして、このコメンテーターに代表されるような人々は、自分たちに無害な遠くで発生している(アラブの春のときのような)民族の感情には「民主化」の観点から、武力で鎮圧する側の政府を批判した。しかし、今回の反日デモのように、民衆の怒りの矛先が自分たち(中国の日系企業)に向くとわかったら、今度は抑え込まない中国政府を批判するのか。ウイグル、チベットの運動も一部は暴徒化や略奪があったが、そのときは鎮圧した中国政府を批判した。(西側民主主義国家にとっての是である形式の)民主化に向かっていってほしいはずの中国に対して、脳天気にインターネットを遮断すればいいじゃないか、とまでいい放ったのです。これはあまりにも中国人を見下した、自分たちにとって都合のよいダブルスタンダードとはいえないでしょうか」(中略)
「中国国内には、日本人には想像もできないほどさまざまな問題が山積しています。中国は一見、膨張して大国化したかのように見えますが、建国からの歴史も浅く、未熟な点も多い。中国政府も人民も苦しみもがいている最中なのです。どうか、そのことをわかってください」
「アラブの春」などの民主化運動では「民衆=善」、「政府=悪」という図式がわかり易かったですが、今回の反日デモは日本人からみたらどちらも敵役なんですよ。
中国に関しては民主化に向かってほしいとは日本人は思っていないと思います。 ソフトランディングは難しいと思いますので。
それに大国意識を振りかざす一方で、都合が悪くなると「中国はまだ若く未熟だ」と逃げることこそ、「自分たちにとって都合のよいダブルスタンダード」じゃないのかな?
中国、韓国の「過剰な愛国心の叫び」が招くもの|田中秀征 政権ウォッチ|ダイヤモンド・オンライン
日本人は、他国の国旗や首脳の写真を踏みにじるようなことをしない。なぜならそんな蛮行は恥ずかしいことだと思うからだ。大震災が起きても集団略奪のようなことも決してしない。そんな悪行を抑えているというより、そもそも頭にさえ浮かばない人がほとんどだ。
中国でも1989年の天安門事件における学生や若者の行動は国際世論から圧倒的な支持を受けた。われわれもひたむきな彼らの勇気ある言動に最大級の敬意を払い、その成功を祈ったものだ。そこには今回のような聞くに耐えない声も、見るに耐えないプラカードもなかった。
日本人も「他国民も自分たちと同じように考えてるに違いない」と思っています。 平和ボケと言われればその通りですが、今回の暴動を見てドン引きするのもしょうがないかと思いますね。