一般にエコノミーといえば、「我慢して乗る座席」という印象が強い。少しでも快適そうな席を選ぼうと窓側/通路側や非常口座席を選んでみたり、前席の旅客がいきなりリクライニングを倒してきて狭苦しい思いをしたり……といった経験は多くの人にあるはずだ。しかし新座席搭載機の機体後部でエコノミークラスの座席に腰を下ろすと、足元の広さに驚く。足を組んでもまだ十分な余裕があった。(中略)
そのために、まず取り組んだのが座席の選定。世界各地の旅客機向け座席メーカーが開発する座席の中から、独ZIM社のものを選んだ。同社の座席は、後席の乗客の膝に近い部分を広げるため、背もたれの下部が大きくえぐれた独特の形状となっている。この形状の座席を採用することで、足回りが従来のエコノミーより3センチほど広がった。
さらにJALは、「これだけでは、旅客に圧倒的な広さを感じてもらうには不十分」(藤島マネジャー)と考え、従来の777型機よりエコノミーを1列減らすことを決断。これにより、1席当たりの前後幅(シートピッチ)を31インチ(約79センチ)から34インチ(約86センチ)と7センチ広げた。座席形状の見直しと合わせて足元を10センチ広げ、左右の幅も従来より2センチ広い47センチとしている。
LCCと差別化するなら、こういう努力が必要だよね。