小隊長が出すべき「朝まで”それ正解”」

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考えてみよう! 板挟みの小隊長が出すべき“正解”:日経ビジネスオンライン

押井:ビジネスの世界に置き換えると、送られた先がとてつもなく劣勢な支社で、しかも海外支社だったりして、そこに自分の部下を引き連れて行ってみたら壊滅的な状況だと。すぐに撤退した方がまだ傷が小さいかもしれない。でも本社は絶対撤退するなと言ってる。
 
--うわぁ。
 
押井:そんな状況でどう立ち振る舞うべきか……しかもそこに特殊な社員が絡んでる。そいつは社長の息子で、傷つけちゃダメ、手柄を立てた上で帰ってこいと。この映画をそうやって置き換えると、途端にビジネス映画になるんです。基本的に同じことをやってるわけ。

そういう駐在者って居そうですね。 地球の裏側で孤立無援というね。

で正解は?

押井:正解は「ノルマンディーから最前線に行くまでの間、途中で寝っ転がる」。で「努力したけどダメでした」ってことにしちゃえばいい。
 
--サボタージュですか(笑)。
 
押井:(中略)だから、ゆっくり行って「我々が前線に着いたときには既にライアン二等兵は死んでました。ライアン二等兵どころか彼の部隊は全滅してました」って報告すればいいんです。
 
--要するにスピルバーグの映画だからああなってるけど、ビジネスマンの教訓の映画にするんだったらそうするという話ですね。
 
押井:そうそう。さっきも言ったけど、命令する側だって必ずしも命令の完遂を求めてるんじゃないんだよ。国民に対する言い訳を求めてるだけなんだから。国是のためにそういう命令を発しましたっていうさ。(中略)
 
いつも言ってるけど、優れた解答とか優れた戦術というのはみんながハッピーにならなきゃ意味がないんです。この場合は「誰の犠牲も払わない」ということがテーマなんだから。「犠牲」というのは結果のことを言ってるんじゃなくて、過程において納得が成立するかどうかなんです。
 
特に日本みたいに労働集約型の農業で成立した国にとっては、人が汗をかいたということは無条件に評価に値するわけです。例えその結果飢饉になったり、水害で流されたり、日照りがあったりして収穫がゼロだったとしても、毎日汗をかいて田んぼを耕してる人間は誰も責められない。そこから先はどうにもならないんだもん。それが現実ってもんじゃない。そこに向かって努力した人間を誰が後ろ指を指せるんだ、というさ。
 
「ミラー大尉は全員の『納得』のために最大限努力した」と観客に思わせることが大事。自分がミラー大尉だったとしたら、見たこともない赤の他人の二等兵を助けるためにかわいい部下たちを犠牲にできますか、と。自分だって生きて帰りたいだろうし、みんな待ってるんだからさ。

甘い! まるでルノアールのココアのように甘いな。
今の日本企業が「頑張ったけど出来ませんでした」で済ませてくれると思ったら大間違いだよ。