自動車のコモディティー化がもたらしたデトロイト破綻

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米国車の品質向上がもたらしたデトロイト破綻  :日本経済新聞

簡単に言えば、自動車産業発祥の地として名高いミシガン州とデトロイトは、自動車生産という、とうの昔にすたれた事業にしがみついているにすぎない。誰もがつくれるパソコンを米国の労働者だけに頼って生産していたら、シリコンバレーのIT企業は行き詰まっていたにちがいない。同じように、デトロイトが破綻したのは、市の最大の雇用提供者が「誰もがつくれる」車を単にデザインするのではなく、生産し続けていたからである。
 
訳知り顔の評論家たちは、デトロイト破綻の原因として、労働組合の存在や犯罪の多さ、税金の高さを挙げるかもしれない。だが本当の根深い原因は、自動車が誰でもつくれる時代になり、デトロイト最大の雇用主が自動車メーカーであるという簡単な事実にある。市の最大の雇用主が、簡単にはつくれないものをつくるようになれば、デトロイトは息を吹き返すことだろう。

「誰でも作れる自動車」ではなく「自分たちにしか作れない自動車」を作らないと、中国、韓国や新興国に仕事を取られるということです。