しかし、原子力関係者の中でより深刻な問題となっているのは、大規模な初期投資や多額の安全対策を必要とする原子力発電が、ファイナンス面で電力システム改革による制度変更とどう折り合っていくのかという点だ。
すなわち、自由化とともに総括原価方式による料金規制や社債の一般担保の廃止が検討されているが、これらが実現すれば、原子力発電のリプレースや新設に必要なファイナンスは窮地に立たされる。
これは、原子力発電において最も顕著な問題となっているのだが、最近ではもっと一般的に、発送電分離が法的分離まで進んだ場合に、それぞれの分割された会社はその設備形成のためにどのように資金調達していくことになるのかが関係者の間で話題になり始めた。ファイナンスがうまくいかなくなれば、予備力の確保にも影響が出始め、中長期的な電力供給不足の恐れがあるからである。
保険も効かない原発を、純粋に市場原理に任せたら、資金調達なんてできっこないのは当たり前の話ですね。
結局は原発だけ切り離して国有化するしかないんでしょう。