JXエネ、家庭に電力 火力新増設で異業種最大級 :日本経済新聞
JX日鉱日石エネルギーは2030年までに発電規模を現状比3倍の400万キロワット超に増やす。異業種の発電規模としては新日鉄住金や東京ガスの計画と並び、国内最大級となる。総額3千億円を投じ、川崎市や茨城県にガスや石炭を使う火力発電所を新増設する。16年には家庭向け販売も始める。石油最大手の攻勢で業種を超えた競争が激しくなりそうだ。
400万キロワットは600万世帯分の電力を賄える規模となる。JXエネが現在保有する発電能力は合計で約140万キロワット。鹿島製油所(茨城県神栖市)の隣接地に石炭かガスを燃料とする火力発電所建設を検討する。規模は原発1基分に相当する100万キロワット級の大型になる可能性もある。(中略)
JXエネは現在、発電した電気を電力会社に卸しているほか、新電力として工場など企業向けに販売している。家庭向けは「ENEOS」ブランドで全国1万1000カ所にあるガソリンスタンドを活用し、来店者に売り込む。
給油所で使える同社系列のクレジット決済機能付きカード所有者は約460万人。ガソリンと共通のポイント制度を導入し、電力料金を割り引くサービスなどを導入する考え。インターネットを通じた販売も検討する。
マッキンゼー・アンド・カンパニーの予測では、人口減や低燃費車の普及で石油の内需が30年に10年比3割減の1億3300万キロリットルに落ち込む。このため、石油元売り各社は電力やガスの領域に進出して総合エネルギー企業への脱皮を急いでいる。
東電に卸すくらいなら自分で販売した方が高く売れるのは確かですね。