家庭用蓄電池の経済効果

ONEエネルギーの蓄電池は、レンタルで低価格ではありますが、コストは掛かります。
それに見合った効果はあるのでしょうか?

我が家の場合、エコウィル(1kWh)と太陽光発電(2.6kW)のダブル発電です。 省エネ家電への買い替えなどもあり、毎月の電気料金は平均して4千円程度です。 太陽光の余剰電力を売電(平均5千円)しているので、実際には黒字です。

蓄電池の経済的なメリットは、以下の2点となります。

1.太陽光発電の売電の押し上げ効果
2.昼/夜の料金差額

1.は、夜間(夜得プランの場合、12.14円/kWh)に充電した電力を昼間に使うことで、太陽光の発電力を宅内で消費せず、売電(ダブル発電の場合、31円/kWh)に回すというものです。
これをやるとダブル発電になり、太陽光の売電単価が下がってしまうので、通常は太陽光発電中は蓄電池からの放電をストップさせます。
我が家は元からダブル発電なので売電単価の減額は関係ありません。 遠慮無く押し上げさせて頂きます。

2.については、太陽光発電でカバーできていない時間帯の昼間料金(夜得プランの場合、23.36円/kWh)の消費電力を、夜間に溜めた電力で賄うことによるものです。
ただ、蓄電池の容量(ONEエネルギーのNECの蓄電池で5.53kWh)には限りがあります。 昼間の平均消費電力が0.4kWhと仮定すると放電は13.8時間、SoCを考慮すると実際には12時間程度とみた方がいいでしょう。
昼間料金の時間帯は16時間(5時~21時)ありますから、全てカバーできる訳ではありません。

昨年8月から今年1月までの半年間の実績を元に上記のコストメリットを算出すると、MAXで12,725円(1:8,091円、2:4,634円)ということになりました。
蓄電池のレンタル料金は月額5,292円(半年で31,752円)ですから、全く元は取れませんね。

コジェネや太陽光と違って、蓄電池は電気を生み出したり、エネルギー効率をアップさせる訳ではありません(むしろ充電/放電でロスが発生します)。 あくまで電気料金の差額でコストメリットが出るだけです。

基本的に蓄電池はコストメリットを求めて導入するのではなく、停電時の備えとして導入すべきものでしょう。 可能かどうかはまだ分かりませんが、蓄電池からエコウィルに給電することで、停電時でもお湯が沸かせてエコウィルの発電力も使えるかもしれません。

我が家は停電時自立運転機能がない「エコウィル」ですが、停電時でも使える「エコウィルPLUS」は装置価格が約20万円も高いですし、「エコウィル」からのバージョンアップが出来る訳でもありません。
蓄電池のレンタル料金が10年間で60万円だとしても、その1/3は「エコウィルPLUS」との差額で相殺されると考えることができますね。

強いていえば、発電出力が1kWh固定のエコウィルの場合、

3.余剰発電力(使われないで熱に変換されてしまう発電力)の有効活用

という効果もなくはないです。 ただこれについては予測が立てられません。 プラスアルファのコストメリットですね。
あとはピークシフトに貢献しているという自己満足もあるかもしれません。

いずれにしても重要なのは、蓄電池を活かすには宅内の省電力化をさらに推し進める必要があるということです。