ソニーが残すべきだった、あのブランド | 企業戦略 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
この背景にあるのは、新興国でのスマホ事業の失敗だ。平井社長は、「中国スマホメーカーの躍進などにより競争環境が大きく変化。普及価格帯の製品の売れ行きにおいて、当社の見通しとは大きく違ってしまったのが原因」とする。
だが、振り返ってみれば、ソニーは、新興国で成功した試しがない。PC事業の売却も、テレビ事業の失速も、もとはといえば新興国での失敗が原因である。
この視点は面白いですね。
どういうことかというと、
PC事業のVAIOを例にとれば、2007年度以降、海外展開を軸とした事業拡大路線を打ち出し、2006年度には400万台だった年間出荷実績は、2010年度には、過去最高となる870万台まで拡大させた。
だが、台数を追う戦略へとシフトすることで、成長市場である新興国へとフォーカスした事業展開を加速。このとき、新興国市場の伸びが予想以上に減速したこと、低価格モデル中心の製品戦略で収益性が悪化し、さらに出荷台数が目標未達となったことが影響し、大幅な減収減益に見舞われた。そこからソニーのPC事業はおかしくなった。
液晶テレビがまさにそうで、台数を追った挙句に達成できずに大赤字というのを毎年繰り返して、十年が経ってしまいました。
でも、
かつてのソニーには、2002年に完全子会社化し、2008年に事業を終息したアイワというブランドがあった。
アイワは、一時期、中近東、アジア、中南米などの成長市場において、オーディオ機器でシェア60%を持っていたこともあり、そうした新興国ではソニーよりも有名なブランドだった。しかし、事業分野を拡げすぎたこと、円高の進展により採算が悪化。自主再建を断念し、ソニーに吸収されて消えていった。
アイワがかつて新興国で成功を収めたDNAは、ソニーには、残念ながら残っていなかったようだ。新興国で成功体験のないソニーにとって、いま、アイワブランド終息のツケが巡ってきているとはいえないだろうか。
これについてはブランドの問題ではない気がします。 確かに日産が新興国で「DATSUN」ブランドを再興したように、既存ブランドの価値を落とすことなく、低価格ブランドを活用するというやり方もあります。
でもソニーの場合は、新興国でウケるノウハウを持っていた人材を活かすことなく「アイワ」を潰してしまったことの方が問題なのだと思います。 「アイワ」ブランドのスマホを出せばいいという話じゃないです。
今回の赤字もまたセンセーショナルに取り上げられていますが、ソニエリの「のれん代」を一括償却しただけの話で、そんなに騒ぐことのほどかな、という気はします。 特に本田雅一氏のこの記事。
「アップルにソニーが2度目の大敗」の重み | 企業戦略 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
アップルの最新スマートフォン「iPhone 6」シリーズの発売に湧く中、ソニーはスマートフォン事業の不振から巨額の減損処理を行うことを明らかにした。
ちょうど9年前の2005年9月にも、ソニーとアップルが残酷なまでの明暗の差をみせたことがある。同年の9月8日にソニーが満を持して、ウォークマン「Aシリーズ」を発表(発売は11月)。打倒アップルを宣言したものの、アップルは米国時間の9月7日、ちょうど同じ日に圧倒的にコストパフォーマンスに優れた「iPod nano」を発表と同時に発売してみせた。
この"敗戦"から9年、ソニーは幾度となく敗戦を経験してきたとはいえ、「対アップル」という視点で俯瞰すると、2度目の大規模な敗戦と言っていいだろう。ただし、今回の敗戦の構図は、前回とは大きく異なっている。スマートフォンという完成品では圧倒的な差を付けられており、むしろライバルというのが恥ずかしいくらいの状況になってしまった。
「池に落ちた犬は棒で叩け」を地で行く記事ですね。 『スマートフォンという完成品では圧倒的な差』というのは販売量やブランド力について言っているのだと思いますが、商品力に「圧倒的な差」があるようには思いません。
それに『「対アップル」という視点で俯瞰すると、2度目の大規模な敗戦』とありますが、むしろ中国勢(シャオミ、レノボ、ファーウェイ)に負けたというのが今回の下方修正の大きな要因だと思います。 これはソニーに限った話ではなく、サムスンなどでも同じです。
まあ、負けてる人間は何を言われようとも反論はぐっと堪えて、結果で見返してやるしかありません。 「カネがないのは首がないのと一緒や@西原理恵子」ですからね。