輸出比率は体脂肪率と同じ!?

【新聞ウォッチ】自動車8社決算、輸出比率の落差鮮明に…マツダ81.5%、富士重77.8%、ホンダ3.3% | レスポンス

東京はその最終的なもうけを示す純利益を強調。「自動車4社純利益最高」とした。決算分析にひと工夫をしたのは読売で今回の決算にも大きく影響した「円安効果」と「国内生産に占める輸出比率」を抽出。円安などの為替効果が8社の利益を計約4800億円も押し上げたと取り上げている。
 
さらに、8社の国内生産に占める輸出比率では、マツダが断トツの81.5%、富士重も77.8%と高く、極端に低いのはダイハツの1.0%で、それにホンダの3.3%、スズキが14.0%となっている。ダイハツとスズキの軽2強はそれなりに理解できるが、ホンダの比率が低いのは改めてびっくり。しかも営業利益の減益はホンダとダイハツの2社。
 
もっとも、日経は表でもダイハツを除外しており、「ホンダ、一人負け」とも見受けられるが、ホンダは赤字に転落したわけでもなく、純利益は前年同期比で5.3%も増加し、4249億円を確保している。ホンダにしてみればトヨタなどの同業他社が「もうけ過ぎ」とでも愚痴を言いたいところだろう。

マツダと富士重の輸出比率が高いのは今に始まったことではないし、出来る範囲で海外生産を強化する施策は行っています。
ホンダも輸出が7割近い時期がありましたから、今でもそれくらい輸出してたら純利益で1兆円越えてたかもしれませんね。
でも輸出を減らしたからこそ、超円高期でも赤字にならずに済んだ訳で、ホンダの今の輸出比率は彼ら自身の選択の結果です。

ただ「日本のホンダは国内市場だけで自立させる」つもりだったのでしょうが、軽やコンパクトカーへのモデルミックスの移行とシュリンクする市場規模の中で、ますます競争は激しくなっています。
今期のように税制改訂で急激に需要が落ち込むこともありますので、輸出を極端に減らしすぎるのはどうかと思います。 何事もリスクヘッジが大切です。
筋肉質な体質になろうと体脂肪を3%まで落としたら、寒くなって風邪を引いたのが今のホンダの姿でしょう。 円高環境に過剰に最適化してしまったのが敗因ですね。

かといって輸出を増やそうにも、北米向けに左ハンドルなのですぐには出来ません。 当面はJAZZ(フィット)くらいしかありませんし、将来の機種を見渡しても輸出を増やすのは難しそうな気がします。
アコードやCR-Vといったボリュームゾーンのクルマだけでなく、NSXやRLXといった高額車まで北米に持って行ってしまいましたからね。
円安で他社が稼ぎまくるのを、ホンダは指を加えて見ているしかないのでしょう。