日本は中国に勝てないという現実を直視せよ幼稚な議論を繰り返す野党が、結局この国をダメにする! (現代ビジネス) - Yahoo!ニュース BUSINESS
今回の安保法制見直しも構造は同じである。集団的自衛権の行使を限定的に容認するのは、もしものときに備えて武力行使の選択肢を用意しておく。そういう話だ。選択肢を用意するのは「法律ができたら自動的に武力行使になる」という話とまったく違う。
トルコの例は、いままさに対テロ戦争を戦う世界で起きている現実である。対テロ戦争の主役である米国もNATOのメンバー国だ。だからといって、NATOが米国に引きずられて対IS戦争に組織として参戦しているかといえば、参戦していない。あくまで有志国が米国と一緒に戦っているだけだ。
条約で固く相互防衛義務が課されているはずのNATOメンバー国であっても、実はトルコと米国、欧州がそれぞれ独自の判断に基づいて対応しているのである。それが実際の主権国家と集団的自衛権の関係である。
それに比べて、いまの国会の議論はいったい何なのか。集団的自衛権の限定的行使を容認したら、直ちに米国の戦争に追随せざるを得なくなるといった議論は、言い換えれば「日本に主権はない」と主張するのと同じである。
「自分を縛り付けておかないと、いつかまた侵略戦争をしてしまうかもしれない」と心配でしょうがない日本国民だから、「集団的自衛権→戦争法案→徴兵制」とかいう短絡的な発想になるんでしょうね。
あるいは「海外の面倒くさいことにクビを突っ込みたくない。米国の核の傘の下でお花畑で遊んでいたい」のかもしれません。
「対米従属」が問題だとかいうけど、むしろこういう心の在りようの方がよっぽど問題だと思いますけどね。
一方で、これで当面は「憲法9条」は守られる公算が強くなりました。
悲願の憲法改正の可能性を消した安倍政権3つの誤り|上久保誠人のクリティカル・アナリティクス|ダイヤモンド・オンライン
だが筆者は、安保法制は本来、それほど難しい政治課題ではなかったはずだったと考える。それが衆院強行採決に至ったほど混乱したのは、安倍政権のいくつかの状況認識の誤りと、稚拙な国会運営のためである。それでも、安保法制は本国会で成立するだろう。ただ本質的に重要なことは、安保法制を成立させる代償として、安倍首相の「最もやりたい政策」である「憲法改正」の実現可能性が、ほぼなくなってしまったことにある。(中略)
憲法学者が次々に「違憲」の見解を示したことをきっかけに、国民的な反対運動が広がったことの影響は大きい。その運動が、法案成立後に挫折感からしぼんでしまったとしても、国民の多くが持った「憲法改正」に対する強いアレルギーは、しばらく消えることはない。おそらく今後10年間、憲法改正は国民の支持を得られない。政治課題として検討することは極めて難しくなった。
でも、もし安保法制が最高裁にて「違憲」の判決が出たら分かりませんけどね。