欧州の自動車メーカー、EURO6の目標基準値を達成できないと主張 - Autoblog 日本版
2017年からは、EURO6のステージ2と呼ばれるより厳しい排出基準が導入される予定である。この基準は2020年までにさらに強化され、欧州で販売される全ての新車は、窒素酸化物の排出量が0.080g/km以下であることが要求される(新型車は2015年発売のモデルより)。しかし、自動車メーカーにとってはこれは厳しすぎるというのだ。
英自動車情報メディア 『AutoExpress』が"EUの内部関係者"から聞いたところによれば、自動車メーカーは排出量を是正する係数の導入を求めているそうだ。つまりは基準の緩和を求めているということだ。自動車メーカーは、2017年から2020年の間は2.75、2020年からは1.7の係数を要求しており、これは要するに、2020年に発売される新しいディーゼル車は0.080g/kmという基準値の1.7倍にあたる0.136g/kmの排出量が許容されるということだ。これはそれほど悪い値ではないが、2.75の係数が導入されたら、2017年以降の新しいディーゼル車は、Euro5の基準さえも満たせないことになってしまう。
今ごろ?
ところで
最も驚いたのは、ACEAがVWのディーゼル車不正問題による騒動をどう見ているかということだ。『AutoExpress』によると、欧州の自動車メーカーは「欧州のディーゼル車に対する米国の陰謀」だと思っているらしい。なるほど。VWは試験を不正にパスするためのソフトウェアを何百万台ものクルマに取り付けていたが、それも米国による陰謀だったというのか。よく分かった。
ゴーンがそう言ったというのは本当なんだろうか?
英タイムズは3日、ゴーン会長が欧州連合(EU)加盟国の通商閣僚に送る書簡の文案で、「米国がVWに強硬に対処するのは、ディーゼル車の競争力が優れた欧州自動車業界をけん制し、米自動車産業を保護するための措置だ」と主張したと報じた。
その上で、ゴーン氏は「欧州自動車業界はEUの環境基準に合わせるため、ディーゼル車分野に巨額の投資を行い、技術面でリードし、1210万人分の雇用創出に貢献している。EU加盟国は欧州自動車業界の競争力を阻害する措置を取るべきではない」と訴えた。
ACEAの広報担当者は「書簡の内容のうち、米国に言及した部分は誤解を生む恐れがあり、最終的に削除した」と説明した。
あんまり米国をコケにすると、手酷い報復に遭うかもよ。
フォルクスワーゲンの不祥事で追い込まれるヨーロッパのディーゼル小型車メーカー | ハーバービジネスオンライン
そして問題はこのコスト高がフォルクスワーゲンではなく、むしろフォルクスワーゲンのライバルとも言える多くの欧州の小型車メーカーを圧迫することだ。
フォルクスワーゲンの場合は〈大型車やプレミアム車も充分に生産しているので、小型エンジンの開発への負担も他社に比べ比較的に少ない。しかし、他のヨーロッパのディーゼルエンジンを登載した小型車のメーカーである〈プジョー・シトロエンとルノーはそれぞれ生産台数の60%を小型車が占め、フィアットは40%を占めている〉のだ。
この先、こうした欧州のディーゼル小型車のメーカーは、発端となったフォルクスワーゲン以上に厳しい状況に追い込まれていく可能性が高いのである。
実走行時の排ガス検査が追加になれば、ルノーにとっても負担が増すことになります。 VWよりも体力が小さい会社は大変ですな。
FCA、不正問題渦に揺れるVW車から買い替えるイタリアの顧客に最大20万円をキャッシュバック - Autoblog 日本版
フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は、上位にいるライバルのフォルクスワーゲン(VW)が起こした不正問題を利用し、競争が激烈な欧州市場で販売を増やそうとしている。イタリアでは、VW製のクルマからFCAグループの新車に買い替える顧客に対し、最大1500ユーロ(約20万円)のキャッシュバックを提供するそうだ。この販売促進策は排ガス不正問題の影響を受けた「TDI」のオーナーだけを対象にしているわけではなく、VWに対する不満を自社の利益に転じようとしているのは明らかだと、金融情報メディア『Bloomberg』は報じている。(中略)
イタリアで、このような企みを実行したのはFCAだけではなかった。『Automotive News Europe』 の記事によれば、フォードもまた、およそ840ドル(約10万円)の奨励金を掲げ、すべてのVW車オーナーに対し、フォード車への買い替えを促しているという。この買い替え促進策がイタリア以外へ、そして他の自動車メーカーへも広がるかどうかは、まだ分からない。
フィアットはもう米国の自動車メーカーですからね。
EUのディーゼル車試験、厳格過ぎればメーカー撤退=欧州業界団体 (ロイター) - Yahoo!ニュース BUSINESS
ACEAは声明で「自動車業界は現実世界の状況をより厳密に反映した排ガス試験の必要性には同意する。しかし、各メーカーが必要な変更プランを立て、実行できるような方法で進めることが重要だ。将来のCO2排出目標を達成する重要な柱の1つであるディーゼル車の役割を危険にさらすことがあってはならない」と指摘。「新車すべてにRDE(実際の走行時の排ガス測定)を適用するための妥当な移行期間を設けるべきだ」と主張した。
また、「スケジュールや条件が現実的でなければ、ディーゼル車の一部は実質的に手が届かない価格となり、メーカーは販売を停止せざるを得なくなる」とし、それは消費者にとっても雇用面でも打撃になると警告した。
激変緩和措置は必要だと思いますが、規制のレベルを下げろというのは同意できないのではないでしょうか?