テロの目的はテロそのもの

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同時多発テロ、フランスは極右に旋回するか?:日経ビジネスオンライン

EUの存在意義やそれが国際社会で果たしている役割は様々ですが、理念の面ではEUはシビリアンな普遍的価値――民主主義、個人の権利、法の支配、ヒューマニズム――を奉じることで、各国を接合してきました。理想論をいっているのではなく、もし人道的な危機を前に、見てみない振りをすることになれば、これはEU自体が、加盟国を統合してきた理念の機能を自己否定することになりかねません。
 
これは決して建前の話ではありません。EUが軍事的には、米国のようなスーパーパワーではないということもあって、自らの存在の正当性の根拠として、自身がシビリアンな存在であることを証明しようとする点では強迫観念的ですらあります。
 
そもそも、国民国家の枠を超えて国家間統合を進めることは大きな作為です。ヨーロッパは歴史的、経済的、政治的経緯からこの統合を進めてきたわけですが、環境や人権、安全保障などの政策領域で国際協調と協力の方が国民国家の枠組みよりも優位であることを示さなければ、自らの存在理由があいまいになってしまう。国際協調を国民国家より優位だと考えていることを証明できて、はじめてEUという複雑な共同体が維持されるのです。

非常に腑に落ちるEU論ですね。