東芝、米原発サービス会社買収で数千億円減損の可能性 | ロイター
同日朝開示した報道資料には、「S&W社の買収に伴う1000億円単位の減損損失を計上する可能性がある」と記載している。「1000億円単位」について東芝の広報担当者は「数千億円という意味」と説明した。
東芝の2016年9月末の株主資本額は3632億円にとどまるため、減損の金額によっては債務超過に陥る可能性も否定できない説明内容だ。
これで膿を出し切ったのかどうか?
東芝メディカルの売却の目処がたってから、16年3月期にウエスチングハウス本体の減損を計上したけど、本当はその時点で今回のS&W社の損失も分かってたんでしょ? 東芝が債務超過になってしまうから時期をずらしただけで。
東芝は2015年10月28日、WHがS&Wを完全子会社化すると発表。プレスリリースには次のように記載されている。「米国のプロジェクトに関し現在訴訟となっているものも含め、全ての未解決のクレームと係争について和解する」。「価格とスケジュールを見直すことにも合意した」。
つまりS&Wを買収することが、電力会社との関係を修復する条件だったのだ。前述の東芝関係者は「S&Wを買収しなければ、WHは2015年中に減損処理に追い込まれていたかもしれない。資産査定などの時間は限られていたが決断せざるを得なかった」と振り返る。冒頭の「減損回避のための買収」とはこういう意味だ。(中略)
東証から特設注意市場銘柄に指定されている東芝は、公募増資などの資本増強策が事実上取れない。12月19日には東証が指定期間を延長することを発表しており、2017年3月15日以降に東芝が提出する内部管理体制確認書で改善が認められなかった場合、上場廃止になる。平田CFOは会見で「銀行に状況を説明して協力を得たい」と述べ、金融支援の可能性に言及した。
日経ビジネスが繰り返し述べてきたように、WHの買収こそが東芝が粉飾決算を始めた「原点」だ。原子力での巨額買収の失敗を覆い隠すために、パソコンや社会インフラなど複数の事業部門が利益の水増しに手を染めた。S&Wの買収は、原発建設でのコスト超過に直面したWHが、それをカバーするために選んだ苦肉の策なのかもしれない。最初の失敗から負の連鎖が始まり、今なお新たな損失リスクを生みだしている。
「減損回避=東芝の債務超過回避」でムリをするからこういうことになる。
それにしても増資をしようにも難しいよね。 銀行だって回収不能になるリスクがあるから、おいそれとは貸せないし。 産業革新機構が手を出すしかないんじゃない?
東芝不正会計問題は“終わった”のか (3ページ目):日経ビジネスオンライン
歴代の東芝経営陣はウエスチングハウスの苦境をひた隠しにしてきた。いったんパンドラの箱が開くと、神話さながらにあらゆる災いが噴き出し、制御不能な状況に陥りかねないからだ。そこでウエスチングハウス単体の減損処理が東芝の連結決算に影響しないよう、会計上の「トリック」を使った。不正会計が発覚した後も隠蔽を続けることで、嵐が過ぎ去るのを待っていたのだろう。
WHというか東芝の原子力事業はとうの昔にメルトダウンしていたのに、その事実を認めてこなかった訳です。 廃炉するには相当な費用と時間が掛かるでしょう。
金融不安につながる大手銀行やインフラ企業の東電とは違って単なるイチ私企業の東芝は、国有化して生かさず殺さずという訳にはいきません。 どうするんでしょうね?
「鬼平」退任で、東芝不正会計問題はどうなる?:日経ビジネスオンライン
3期9年にわたって証券取引等監視委員会委員長を務めた佐渡賢一氏が12月12日に退任した。「証券界の鬼平」とも評され、公募増資インサイダー問題や、AIJ投資顧問の年金詐欺事件、オリンパスの巨額損失隠し事件などを指揮した。
そんな佐渡委員長の退任で「幕引き」となるのが東芝の不正会計問題での歴代社長の責任問題。証券監視委は、東芝による巨額の利益かさ上げについて、西田厚聡・元会長や佐々木則夫・元副会長、田中久雄・元社長らの責任は明らかだとして、東京地検特捜部に刑事告発するよう求めていたが、検察側は立件は難しいという姿勢を崩さなかった。
それとも「鬼平」がいなくなって、経営責任を追求されることがなくなったので、安心したか?
どっちにしろこの会社の体質は潰れるまで変わらないだろう。
原発にカネ突っ込んだのが命取りだったね。
東芝が債務超過目前、米原発の資産査定甘過ぎで巨額損失|Close-Up Enterprise|ダイヤモンド・オンライン
SMBC日興証券は「4000億~5000億円の損失規模に膨らむリスクがある」との試算を公表しているが、東芝の自己資本は昨年9月末で3632億円、純資産は6981億円で、損失が膨らめば、東京証券取引所の上場廃止基準に抵触する連結の債務超過に陥る恐れもある。(中略)
東芝の現預金は9月末で5245億円あり、主力行と契約している融資枠(コミットメントライン)の残高は6850億円あるため、急な資金不足に陥ることはなさそうだが、純資産の減少や格下げは、借り入れの条件となる財務制限条項に抵触する恐れもある。すでに東芝は主力行との支援の協議に入った。
止血できなければ危ういですね。