Transcendの512GB microSDXCカードが入荷 - AKIBA PC Hotline!
これは、リード最大95MB/s、ライト最大40MB/sのmicroSDXCカード。UHSスピードクラス3と4K動画の録画が可能なビデオスピードクラスV30に対応している。
ふと見かけたこの記事、なんかおかしくないですか?
Transcend「TS512GUSD300S-A」の製品概要ページを見ると
メモリカード | microSDカード | microSDXC/SDHC 300S - トランセンド|メモリ製品のスペシャリスト
データ転送スピード
スピードクラス
・UHS-I U3
・UHS-I U1
・Class 10
・V30
・A1
とあります。 UHS-ⅢじゃなくてUHS-Ⅰですね。 カード表面の印刷にもちゃんと「Ⅰ」と入ってます。
ではなぜ間違えたのかというと、UHSスピードクラス3(U3)と混同してしまったのでしょう。
そもそもUHS-ⅠとかⅢってなんでしょう?
SDカードがSATA 6Gbpsより高速な転送速度624MB/sのUHS-IIIに進化 ~全二重通信の採用でUHS-IIから2倍に高速化 - PC Watch
UHS-IIIでは、最大転送速度がUHS-II (312MB/s)の2倍となる、624MB/sへ引き上げられた。
具体的には、UHS-IIはRange AとBの2つの速度レンジをサポートしており、半二重方式(D0レーンとD1レーンを同方向にして倍速転送する転送モード)により、それぞれ156MB/s、312MB/sまでの転送が可能だったが、UHS-IIIは、Range A/Bに加えて、Range C/Dの2つの速度レンジを追加。Range C/Dはそれぞれ312MB/s、624MB/sまでの転送が可能となっているほか、レーン方向の切り替えが不要な全二重方式を採用する。
要するに物理的・電気的なインターフェースの規格ですね。 ⅠとⅢ以外にもⅡがあります。
それに対してスピードクラスは「動画用途の最低保障速度」を表すものです。
スピードマークには、スピードクラス*,UHSスピードクラス** , ビデオスピードクラス***の3種類があり、マークに数値を組み合わせて最低限の書込みスピードを表しています。主にカムコーダー、ビデオレコーダーおよびビデオ録画機能を備えたデバイスに有効な機能です。
バスモードに関しては、メモリライト性能に影響しないレベルの高速なバスモードが使用される必要があり、C10はハイスピードモード以上、U1, U3は、UHS-I(SDR50/DDR50)以上、V60, V90 は、UHS-II以上のバスモードで使用されます。
3つもあるのはSDカードの世代によるもので、
Class10 ・・・ (micro)SDHCまで
U3 ・・・ (micro)SDXC UHS-Ⅰまで
V90 ・・・ (micro)SDXC UHS-Ⅱ以降
となります。 但し下位互換性のためにSDXCカードの表面にもC10とか印刷されていますが。
つまり「TS512GUSD300S-A」が本当にUHS-Ⅲ規格に対応しているなら、スピードクラスがU3、V30では遅すぎて、最低でもV60、適正ならV90を満たしていてもおかしくないです。
ちなみにUHS-Ⅰインターフェースのカードの場合、実際のカードの性能がいくら高くても、表記できるスピードクラスはU3、V30が上限となります(あくまで最低保障速度なので)。
SDカードリーダーは仕様に注意 新規格が次々登場|くらし&ハウス|NIKKEI STYLE
UHS-II以上の製品は通常のSDカードよりも接点が多い。このため、UHS-II以上に対応するカードリーダーでないとUHS-II対応製品の性能をフルに発揮できない。
UHS-ⅢどころかⅡ対応製品だってカメラなどの一部の機器だけですから、対応製品を持っていないのに購入してもムダですね。
microSDXCはだんだんと値段が下がるので、将来性よりもいま必要な機能、容量で選んだ方がいいです。